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平成28年(2016年)9月5日(月) / 日医ニュース

「若手医師の勤務環境とワークライフバランスを考える」をテーマに議論

「若手医師の勤務環境とワークライフバランスを考える」をテーマに議論

「若手医師の勤務環境とワークライフバランスを考える」をテーマに議論

 第4回医学生・日医役員交流会が8月5日、日医会館で開催された。
 日医では、医学生向けの無料情報誌『ドクタラーゼ』を発行するなど、医学生を対象にさまざまな情報の提供を行っているが、本交流会は、その一環として、将来の医療を担う医学生と日医の役員が、今後のわが国の医療制度とその問題について共に考える機会を持ち、医師会活動への理解を深めてもらうことを目的として開催しているものである。
 4回目となる今回は、「若手医師の勤務環境とワークライフバランスを考える」をテーマに、活発な意見交換を行った。
 今村定臣常任理事の総合司会で開会。冒頭、あいさつに立った横倉義武会長は、国民皆保険の意義と現在の厳しい国の財政状況に触れ、医療現場は今、医師の献身によって支えられていると指摘。「日医としては、勤務医や女性医師を含めて全ての医師が安心して医療に従事できる環境整備に向け、さまざまな取り組みを行ってきたが、出産・育児期の女性医師、また、育児期の男性医師の働き方をどうサポートするか等、生活も仕事も大事にする医師の働き方を検討していかなくてはならない時代になった」とした上で、本交流会でその解決に向けた有意義な議論がなされることに期待を寄せた。
 第1部では、まず、3名の医学生が問題提起し、質疑を行った。その中では、「医師の労働環境・ワークライフバランスについてのアンケート調査」の結果が紹介され、回答した学生達が、自身の専門分野・勤務先選択において、興味、やりがいを生活の質と同様に考慮し、他者がワークライフバランスを考慮して職場選択をすることにも寛容である姿が報告された。
 続いて、女性医師支援を積極的に行っている3名の若手医師と、今村聡副会長が話題提供を行った。
 蓮沼直子秋田大学医学部総合地域医療推進学講座准教授は、自身が出産を機に仕事を離れて復帰に苦労した経験から、たとえペースダウンしたとしても離職しないよう強調。キャリア形成のためには、短時間勤務であっても日当直をするなど、働き方を多様化することが必要だとした。
 宮田俊男日本医療政策機構理事は、テクノロジーの発達によって早期診断・早期治療が可能になるなど、医師の働き方はこれから大きく変わるとして、「生活習慣病などの重症化を予防できれば、勤務医の労働環境の改善にもつながる」と述べた。
 川瀬和美東京慈恵会医科大学外科学講座准教授は、日本外科学会員を対象としたアンケートから、男性医師は9割以上が配偶者に家事を任せているのに対し、女性医師は7割が自分で行っていたと報告。男女共に家庭での責任を果たせるよう、育児支援体制や短時間勤務制度の整備が必要だとした。
 今村副会長は、日医では、勤務医の健康支援として、医師・病院管理者の意識改革のためのパンフレットの作成や職場改善ワークショップを開催している他、女性医師支援として、「女性医師バンク」による就業支援や医学生・研修医等への講習会などを開催していること等を説明した。
 第2部では、今村副会長をコーディネーターに、先の若手医師3名をパネリストとしたパネルディスカッションが行われ、日医役員と共に、医学生から寄せられた質問に回答した。

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