2016ワールド・アライアンス・フォーラム in サンフランシスコ「日米先端医療技術事業化会議」が11月21、22日に開催された。
本フォーラムは、ICT(情報通信技術)を用いたヘルスデータに基づくヘルスケアの個別化に関する①デジタル・ヘルス及びヘルスケアIoT(モノのインターネット)②遺伝子治療及びがん免疫療法③再生医療―を中心とする先端医療技術の事業化を図り、国境、業種の枠を超え、産官学連携による事業展開を行うことを目的として開催されたものであり、約300名が参加した。
今村聡副会長は、今般、アライアンス・フォーラム財団の原丈人代表理事から横倉義武会長宛てに日本の医療従事者を代表してあいさつして欲しいとの依頼があったことを受けて出席した。
会長のあいさつを代読した今村副会長は、10月の世界医師会台北総会において横倉会長が世界医師会次期会長に選出されたこと、再生医療等の安全性の確保等に関する法律に違反して実施された再生医療の事例に対する日医からの是正勧告、医療に関する"National Database"の構築による政府と連携した医療費適正化計画に資する取り組みなどを説明。
その他、日本における先端医療技術の事例として、東京大学医科学研究所におけるIBMのワトソンによる白血病患者の診断例や、日本外科学会の"National Clinical Database"によるプロジェクト等についても紹介した。
また、同副会長は21日、在サンフランシスコ山田淳総領事によるレセプションに招待され、国内外の主要参加者との意見交換を行った。
2日目のセッションでは、澤芳樹大阪府医師会副会長・大阪大学医学部長、高橋正代理化学研究所網膜再生医療研究開発プロジェクトリーダー、本望修札幌医科大学医学部附属フロンティア医学研究所教授から、それぞれ再生医療の実践について講演が行われた。
本望札幌医大教授の講演では、脳梗塞による片麻痺の患者及び脊椎損傷による四肢麻痺の患者に対する自己骨髄幹細胞移植治療の結果として、神経機能が再生され後遺症が軽減された症例がビデオで紹介され、参加者から大きな関心が示された。
その後、山中伸弥iPS細胞研究所長による「再生医療の将来」をテーマとした講演と、「未来のヘルスケアとは?」をテーマとしたパネルディスカッションが行われ、原代表理事による閉会の辞により、フォーラムは2日間の全日程を終了した。
今回のフォーラムは、先端医療技術の事業化がテーマとなっていたため、フォーラムのスポンサーを含め、日米の企業からの参加が顕著であった。