日医定例記者会見 平成28年12月21日
釜萢敏常任理事は、定期予防接種に指定されている麻しん風しん混合ワクチン(以下MRワクチン)について、北里第一三共株式会社が製造したワクチンが平成27年10月に回収となり、会見時点において供給が再開されていないことに加え、平成28年8月以降、千葉や大阪における輸入例に端を発した麻しん集団発生等の影響により、各地域からMRワクチンが不足しているとの情報が寄せられているとして、日医の見解を公表した。
同常任理事は、まず、「日医は、厚生労働省やワクチンの製造メーカーに対して、MRワクチン供給量の聞き取り調査を行い、不足が生じていないかどうか、また偏在があれば速やかに解消するよう申し入れてきた」と、これまでの対応を説明した。
また、去る9月9日付の厚労省事務連絡において、「定期接種に使用するMRワクチンについて全国的な不足は生じない見込みですが、一部の地域や医療機関において、MRワクチンの偏在等が懸念されます」と明記されており、自治体等に対して定期予防接種の確実な実施に努めることや卸売販売業者に対してワクチンの偏在が起こらないよう配慮することを求めていることに言及。
更に、本事務連絡では、「医療機関等がMRワクチンの予約・注文を行う場合は、必要な本数に限り行うこと」とされていることから、日医としても全面的に協力してきたとした。
その上で、「今もなお、各地域からMRワクチンが不足しているとの声が寄せられていることから、日医は厚労省及びワクチン製造販売業者に対し、不足が生じている地域に優先的にMRワクチンの必要量の供給を行い、くれぐれもワクチン不足により定期接種対象者が対象年齢を過ぎてしまうことがないよう、改めて更なる対応を求めていく」と述べた。
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