日医定例記者会見 1月25日
鈴木邦彦常任理事は、C型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造医薬品が発見されたことを受けた日医の対応について説明を行った。
本件は、わが国の医療用医薬品の流通経路で偽造医薬品が発見された初めての事例であり、厚生労働省による流通経路の全容解明に向けた調査が続いている。日医からも会員医療機関に対し、厚労省の通知で示された点を速やかに確認するよう、情報提供を行っている。
同常任理事は、全容が解明されていない状況下において各医療機関及び医師ができることとして、①箱入りではなくボトルのみで納入されていなかったかどうかを確認する②中身の錠剤の形態やボトルの口を覆っている「インダクションシール」の外観を患者と一緒に確認する―ことの2点を挙げ、「各医療機関及び医師は責任を持って確認を徹底し、在庫に偽造医薬品の疑いがある場合は行政への報告が望ましい」と述べた。
また、偽造医薬品による治療の遅れや健康被害への懸念を示し、各医療機関における取引業者の選定の際は慎重に検討することを求めた。
同常任理事は更に、「万が一、偽造医薬品が蔓延することになれば、日本の公的医療保険・国民皆保険の信用に傷を付け、安心・安全な医療の確保が難しくなる恐れがある。そうならないよう、今回問題となった薬剤師・薬局だけでなく、全ての医療関係者は、偽造医薬品に対して迅速かつ適切に対応する必要がある」と述べ、全医療関係者が一丸となって取り組む必要性を強調するとともに、厚労省に対しては、「今までの流通体制や法的規制について見直すべきところは見直し、日本国内の医薬品の適切な流通を促進するとともに、偽造医薬品に関わった者への罰則の強化を検討するべき」と、再発防止に向けた対応の強化を求めた。
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