日医定例記者会見 3月1日
横倉義武会長は、昨年12月、医学部の学生及び研修医が、また本年2月には、若手医師と研修医が女性に乱暴した事件を受けて、医療倫理教育の重要性について日医の見解を表明した。
同会長は、初めに、本事件で被害に遭われた女性の方々に対するお見舞いの言葉を述べた後、「医師を目指している者、若い研修中の医師らがこのような事件を起こしたことは、誠に遺憾であり残念でならない」と発言。
このような事件については「医師の倫理」という以前の問題であるとする一方、「医師という職を目指す者には高い倫理観が求められる。医学部入試の面接で、医師としての適性を見極めることも重要なことではあるが、医学部において更に倫理教育を充実させることが必要」との考えを示した。
その上で、近年、国際的にも医学生等に対する医療倫理教育の重要性が唱えられる中、医学生や若手医師に対するコミュニケーション能力や態度教育の必要性、プロフェッショナリズムに欠ける者に対する再教育等、医療倫理に関する学生教育の重要性については、会内の生命倫理懇談会報告書の中でも指摘されていること、また、日医が作成した「医の倫理綱領」(平成12年4月)では、医師の使命が6項目にわたり記されていること等を紹介。
「医師という職についた者には重い責任が課せられ、医業の尊厳、医師としての名誉を傷つけないよう努めなければならないことは言うまでもない」とした。
加えて、「医の倫理綱領」を基本とし、職業倫理上の課題を取り上げた『医師の職業倫理指針』を昨年10月に8年ぶりに改訂したことを報告し、本指針を大学での倫理教育に活用して欲しいと要望。その上で、二度とこのような事件が起こらないよう、引き続き会内の「会員の倫理・資質向上委員会」を中心に、医療倫理の教育体制等について検討し、更なる医の倫理向上に努めていくとした。
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