平成28年度都道府県医師会事務局長連絡会が2月24日、日医会館小講堂で開催された。
今村定臣常任理事の司会で開会。冒頭、あいさつした横倉義武会長(今村聡副会長代読)は、「医師会活動の基本は地域医師会の活動にあり、各地域の実情を踏まえた地域医師会の取り組みを一層充実させていくことが、わが国の医療をより良きものへと発展させるための基礎になる」として、各都道府県医師会に対して、「全ての医師が医師会活動に積極的に参画し、活躍できるための環境整備について、より一層考えて頂きたい」と要望した。
その上で、医師会活動の目的は、「国民の健康と生命を守ること」にあり、日医の意見が全ての医師を代表するものであるということを、組織率の面からも示していく必要があるとして、本連絡会が更なる組織強化に向けた契機となるよう期待を寄せた。
続いて、平成28年度に退職または退職を予定している、稲葉晃(秋田県)、倉上伸夫(埼玉県)、酒井眞司(長野県)、増田和義(静岡県)、細野浩(三重県)、松村博成(大阪府)、山田昌俊(徳島県)、幸田俊光(福岡県)、田中英彰(佐賀県)、浜口龍二(長崎県)各医師会事務局長に対して、今村副会長から感謝状と記念品が贈呈され、酒井氏から謝辞が述べられた。
医師年金の更なる活用に向けて説明
その後、(1)医師年金の更なる活用に向けて、(2)日本医師会女性医師バンクと都道府県医師会との連携―について、今村副会長が説明を行った。
(1)については、医師会が医療界における存在感を示していくためにも、組織率の向上が不可欠であるとして、その方策の一つとして、医師年金加入のメリットを活用した組織強化策を提案した。
同副会長は、「会員が増加する中で、医師年金への加入資格を得ることには大きなメリットがあるにもかかわらず、加入者が減少しているのは説明不足に原因がある」と現状を分析するとともに、改めて医師年金の管理・運営体制の概要を解説した。
その特徴については、「非営利、非課税、ローコストによる効率的な資産運用が可能である」「個々の医師のライフスタイルに合わせられる医師専用の年金である」等、民間の商品に比べ有利になっている7つのポイントを強調した。
その上で、「現在、郡市区等医師会と日医の会員数の差は2万人を超えているが、この差をなくしていくことが組織強化に向けた大きな一歩になる」として、「『医師年金への加入資格』を訴求ポイントとして、日医非会員や日医会員でも医師年金未加入の医師に対し、医師年金の良さを伝え、加入促進につなげて欲しい」と要望するとともに、医師年金に関する郡市区等医師会事務局への理解促進についても協力を求めた。
(2)では、女性医師バンクについて、全国の求職者からの登録がある中、地方の求人や女性医師支援に関する情報が乏しいことを説明。より効果的な女性医師支援体制の強化に向けて、担当者連絡網作成のため、各都道府県医師会に本事業の窓口となる担当者を1名配置することを依頼するとともに、「都道府県医師会のドクターバンクの情報や求人・求職情報と女性医師バンクの情報を共有することで、双方の成立件数の増加につなげていきたい」とした。
その他、当日は、日医事務局より、次の大規模災害に備えるべく、「災害・緊急時の情報通信体制に関するアンケート」を各都道府県医師会に対して近日中に送付予定である旨の報告があった。