昨年度4カ所目となる「日本医師会テレビ健康講座―ふれあい健康ネットワーク」の収録が3月20日、青森県医師会並びに青森テレビの協力の下、テレビ局内で行われた。
番組は、「健(すこ)やか力(りょく)を身につける! ~もう短命県とは呼ばせない!~」をテーマに、短命県からの脱却を目指して、同県医師会が開設した「健やか力推進センター」で健やか隊員育成プログラムを修了した「健やか隊員」が企業や団体といった職場や学校、地域で取り組んでいる健康づくりの活動について、それぞれのリポートと解説のVTRを交えつつ紹介する内容となった。
VTRで出演した、同県医師会健やか力推進センターセンター長の中路重之弘前大学大学院医学研究科社会医学講座教授は、短命県である原因として、①喫煙率が高い②受診が遅い③生活習慣が改善されない―ことを挙げ、センターでは、個人では難しい健康づくりに、職場、学校、地域ぐるみで一丸となって取り組めるよう、「健やか隊員」を養成して活動をサポートしているとした。
その他、県内の銀行など多くの企業が「健康宣言」を実施し、健やか隊員が各職場で、「毎日6000歩以上歩く」「栄養講義の中での塩分濃度測定」等、独自に行っている取り組み等を紹介。
更に、地域では、県下40のうち33の市町村が健康宣言をしており、地元の健やか隊員数名が「出張健康鑑定団」となって、健康フェスタで住民に健康チェック(骨密度測定・血管年齢測定・体組成測定・ロコモ度テスト)を行い、自営業者、専業主婦、高齢者などの健康づくりの意識を高める活動として関心を集めた事例、小学校では、運動不足や肥満、塩分過多など生活習慣の見直しを中心にした健康授業を行い、子ども達から家庭へと広がりを見せている事例などについても説明した。
番組に出演した齊藤勝同県医師会長は、厚生労働省が2013年に公表した「都道府県別生命表」(公表は5年に一度)によれば、県民の平均寿命は、男女共にワーストで、男性は8回連続、女性は4回連続の最下位であったことに触れ、短命県という汚名を返上するため、2年前に県医師会に「健やか力推進センター」を創設したと説明。「健康づくりによって人づくり、まちづくりの推進力となるよう取り組み、その成果を県全体に広げていきたい」と強調した。
その上で、同県医師会長は原因の一つともなっている受診率の低さが、疾病の早期発見ができず重症化にもつながっているとして、日頃から何でも相談できるかかりつけ医を持つよう勧めた。
同じく番組に出演した、道永麻里常任理事は、「青森県医の取り組みに熱心さを感じる」と述べ、このような取り組みは日本全体の健康づくりの啓発に役立てていくべきとした他、健康診断などの際に、自分に合ったかかりつけ医を見つけて欲しいと呼び掛けた。
なお、番組は4月9日(日)に青森テレビで30分番組として放映された。
日医テレビ健康講座「ふれあい健康ネットワーク」は、今回で今年度の収録が全て終了した。