第3次安倍第3次改造内閣が8月3日発足し、厚生労働大臣には加藤勝信一億総活躍担当大臣が就任した。これを受けて、横倉義武会長は同日、記者会見を行い、国民が安心できる医療の構築に向けて、加藤厚労大臣と力を合わせて取り組んでいく考えを示した。
横倉会長は今回の内閣について、「重厚な配置をしているというのが第一印象」とした上で、加藤厚労大臣については「これまでにもさまざまな面で意見交換をしてきたが、適切な医療提供に資するための財源の確保と国民皆保険体制の維持という今後の2つの大きな課題をバランスよく考えてくれる方だと思っている。今後は大臣として厚生労働行政をリードされていくことを期待している」と述べた。
その上で、横倉会長は年末の予算編成について、「2025年に向けた改革が進む中で、来年度には診療報酬と介護報酬の同時改定を控え、大変重要な意味を持つ。国民が将来にわたって必要とする医療・介護を過不足なく受けられる社会を構築し、国民が安心して医療や介護を受けられるよう、しっかりと財源を確保しなくてはならない」と強調。加えて、来年度より開始される第7次医療計画と介護保険事業(支援)計画の策定等により、かかりつけ医の役割が今後ますます重要になるとして、「かかりつけ医を制度化して国民に強制的に持たせるのではなく、国民自らがかかりつけ医を持てるよう、かかりつけ医機能を強化することにより、更なる普及と定着を図っていく」とした。
また、今後については、「持続可能な社会保障制度とするために、時代に即した改革を進めながら、国民皆保険を堅持し、国民にとって必要とする医療が過不足なく受けられる社会になるよう、日医としても努力していきたい」と述べた。
一方、横倉会長は、今回で退任となった塩崎恭久前厚生労働大臣について、
1.本年6月の厚生労働省設置法の改正による医務技監の創設
2.昨年9月に開催されたG7神戸保健大臣会合で議長を務め、地球規模の保健課題にG7が共に取り組むための具体策である「神戸コミュニケ」を採択した
3.2015年5月の健康保険法の改正においては日医も主張していた国保財政の都道府県単位化や応能負担の推進を導入するなどの成果を上げた
4.受動喫煙防止対策の強化・実現に向けて熱心に取り組まれた
-などをその功績に挙げ、「心から敬意を表するものであり、今後のご活躍と ご健勝を祈念している」とした。
問い合わせ先
日本医師会総合医療政策課 03-3946-2121