日医定例記者会見 平成29年9月27日
釜萢敏常任理事は、日本耳鼻咽喉科学会が行った「2015―2016年にかけて発症したムンプス難聴の大規模全国調査」の結果について報告し、2年間で少なくとも348人が難聴となり、その中の300人近くに後遺症が残っているとして、積極的なワクチン接種の検討を呼び掛けた。
同調査によると、2015年から2016年の2年間に少なくとも348人がムンプス難聴と診断され、そのうち詳細が確認できた336人の回答では、初診時に一側難聴が317人、両側難聴が15人であり、最終的に両側難聴であった16人のうち12人は日常生活に支障を来し、補聴器または人工内耳を装用しているとした。
ムンプス難聴の発症は学童期(特に低学年)に最も多く、次いで子育て世代に多く認められ、約8割に当たる274人に高度以上の難聴が後遺症として残っていることが判明したとしている。
同常任理事は、日本耳鼻咽喉科学会より日医に情報発信の依頼があったことを説明。「無菌性髄膜炎等の発生を抑えた新たなワクチンが開発され、定期接種化されることを期待する」とした上で、「おたふく風邪のワクチンは現在任意接種だが、積極的に接種を検討して頂くためには、保護者に情報を伝えることが必要である」と強調した。
更に、おたふく風邪にかかった後の難聴の発生が少なくないとして、「後遺症としては重症であることを認識し、ワクチンを接種するという選択についてもう一度考えて欲しい」と述べた。
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