医学教育・医学・医術及び医の倫理における国際水準の向上に期待
日本歯科医師会長 堀 憲郎
横倉先生の世界医師会長ご就任誠におめでとうございます。
健康保険法が制定された1922年からわが国の公的医療保険制度の歴史が始まり、約100年掛けて世界に冠たる制度に発展し、わが国は世界一の長寿国になりました。一方、わが国は世界一速いスピードで高齢化が進み、それにより制度維持に困難を生じるなど、今世界が直面する問題に、いち早く取り組んできました。
このような公的医療保険分野での多くの経験を有する国として、わが国は世界医師会が目的とする「世界の全ての人々を対象にしたヘルスケアの実現に努めながら人類に奉仕する」との目的に沿って多くの貢献ができるものと思います。
このたび、横倉先生が世界医師会長に就任されることは、日本の医療提供者全ての誇りであるとともに、そのような貢献の推進につながるものと確信いたします。横倉先生の日医会長としての指導力と手腕が、国際社会でも遺憾なく発揮され、医学教育・医学・医術及び医の倫理における国際的水準を、大きく高められることを期待するものです。世界を舞台に大任を全うされることを心からご祈念申し上げます。
世界に向けて日本の医療体制のすばらしさの発信を
日本薬剤師会長 山本 信夫
横倉会長の世界医師会長ご就任おめでとうございます。現在でも日医の会長として、わが国の医療提供体制を牽引するリーダーとして、ご多忙な日々に加えて、更に世界を視野にした活動がスタートすることになります。
さて、世界保健機関(WHO)の主催する世界医療者会議(WHPA)では、医師、歯科医師、看護師と並んで、私ども薬剤師もグローバルな視点で医薬品の適正使用を通じて、人々の健康な生活や医療提供体制の確保に取り組むとしています。わが国の医療制度は世界的に見てもハイレベルにあり、世界中の医療職種にとって課題とされる「Universal Health Coverage」に関しては、その解決に向けた手本となるものと確信しています。こうした中で、横倉会長が世界医師会の会長に就任されたことは、時宜を得たことと思います。
日本から世界へ、想像を超えた激務と存じますが、ご健康には更なるご留意をされ、世界に向けて日本の医療体制のすばらしさを発信されますよう願っております。
安心・安全で効果的な医療を共に推進する医療専門職として
日本看護協会長 福井 トシ子
このたびは、世界医師会長へのご就任、おめでとうございます。
わが国の急激な高齢化の進展は、医療ニーズの増大をもたらすと同時に、社会保障制度の基盤の脆弱(ぜいじゃく)化ももたらしています。このような困難の多い局面においても、横倉会長には、医療界のトップリーダーとして、医療専門職を牽引して頂いており、また、看護に関わる問題についてもご見識深く、ご理解を頂いていることに感謝いたします。
目下、社会保障制度改革が進められていますが、効率性や負担と給付の考え方に強く切り込んでいる点で、従来の政策と色が異なっているようです。ここで改めて、私達医療専門職は、常に安心・安全で効果的な医療であることに注力しなければならないと強く思います。
政策推進に関わる医療専門職団体として、共に、子どもも高齢者も、誰もが安心して生活・療養できる社会の実現に力を尽くしたいものです。そして、わが国のその経験、知見を力に世界をより良い方向に牽引されることを期待し、世界医師会長としてのご活躍を祈念いたします。
横倉義武先生の世界医師会長ご就任を祝して
日本医学会長 門田 守人
横倉先生、世界医師会長ご就任おめでとうございます。
世界の114の国と地域の医師会が加盟する世界医師会の会長として世界の全ての人々の健康と安全を守るお仕事は、私どもには想像もできないような巨大なものと推察いたします。先生の卓越したリーダーシップを十二分に発揮して頂くことを期待しています。
第二次世界大戦終了後間もなくの1947年にスタートした世界医師会は、世界大戦の反省から、世界平和を基本に全地球人の健康と安全を目指したものと推測します。そして、その後70年間、我々は比較的平和な年月を享受してきていると言えます。しかし、近年の政治経済は安心して見ていられないのではと不安を感じています。医療は人類の最も基本の権利を守ることを目指していると考えます。今の地球上の課題に対して、医療の特殊性を生かして課題解決に向かっていく世界医師会のリーダーとなって頂くことを願っています。
人類の健康と幸福にますますの貢献を
京大iPS細胞研究所長・教授 山中 伸弥
このたび、横倉会長が世界医師会の会長にご就任されましたことを、心よりお祝い申し上げます。横倉会長には何度もお目にかかっておりますが、iPS細胞研究について深いご理解を賜り、また、「全面的に支援したい」との心強いお言葉を頂きました際には、大変感激しましたことを覚えております。
今日、iPS細胞技術やゲノム編集、人工知能を始めとする新たな科学技術が目覚ましい進展を遂げております。これらは医療の進歩を促進すると同時に、医療現場においては新たな課題に直面することになると予想されます。従来の保健医療や高齢化に伴う課題に加え、医学教育・医学・医術及び医の倫理の向上を進めてこられました世界医師会の果たす役割は、更に大きく、重要なものになると思います。
日本医師会においても存分に発揮してこられました横倉会長のリーダーシップの下に、世界医師会が中心となり、人類の健康と幸福にますます貢献されますことを祈念申し上げます。
「バルカニゼーション」の克服を期待して
日本医療研究開発機構(AMED) 理事長 末松 誠
横倉会長、世界医師会長へのご就任誠におめでとうございます。AMEDを代表して心よりお祝い申し上げます。
多剤耐性菌の克服や発展途上国におけるNon-Communicable Diseasesの問題など、医療を取り巻くグローバルな課題解決には国際協力による研究開発と患者さんへの成果の還元が不可欠ですが、社会、宗教、死生観の違いに加えて、異なる職種の人々の間の意思疎通の難しさが、あらゆるR&D(研究開発)の阻害要因(バルカニゼーション)になっていることを痛感する毎日です。
我々がそのような壁の克服のための試金石として2年前にスタートさせたIRUD(未診断疾患イニシアチブ)診断体制構築についてのご相談の際にも、横倉会長を始め日医の先生方に多大なご協力を頂きました。
横倉先生が世界医師会を牽引し、世界の患者さんのためにご尽力され、グローバルな医療の課題を克服されることを願ってやみません。今後ともご協力のほどよろしくお願い申し上げます。