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平成30年(2018年)4月20日(金) / 日医ニュース

日医ら6団体で共同声明「健康や医療・医薬品に関する情報を正しく理解していただくために」を公表

日医ら6団体で共同声明「健康や医療・医薬品に関する情報を正しく理解していただくために」を公表

日医ら6団体で共同声明「健康や医療・医薬品に関する情報を正しく理解していただくために」を公表

 今村聡副会長は3月28日、田尻泰典日本薬剤師会副会長、服部洋子日本製薬工業協会医薬品評価委員会PMS部会長、水巻中正日本医学ジャーナリスト協会長、山口育子ささえあい医療人権センターCOML理事長、黒川達夫くすりの適正使用協議会理事長と共に、厚生労働省で記者会見を行い、6団体で取りまとめた共同声明「健康や医療・医薬品に関する情報を正しく理解していただくために」を公表した。
 共同声明は、①ここ数年、リスクやベネフィットの過剰表現、科学的根拠に基づかない情報がたびたび目につくようになっている②最適な医療は一人ひとり異なるにもかかわらず、さまざまな媒体で「この医薬品は服用すべきではない」「やってはいけない手術」など、あたかも一般化できる事実であるかのような断定的な表現がなされている―といった現状に大きな懸念と危惧を抱いたことを受けて、取りまとめたものである。
 その中では、「医療・医薬品に関する基礎知識の普及啓発」「関係者間の共通認識の醸成」に取り組むことを宣言。具体的には①患者が幅広く医療や医薬品に関する基礎知識を習得できる資材を、協力して作成する②医療・医薬品に関する関係者間の理解を深め、互いのコミュニケーションの一助となる場の企画設営―等を行うとするとともに、かかりつけ医等の専門家の活用を呼び掛けている。
 取りまとめに当たっては、くすりの適正使用協議会に検討委員会を設けて検討を行い、今村副会長がその座長を務めていた。
 記者会見した今村副会長は、「医療の提供側、患者やメディアが一緒になってこの取り組みを始められたことは意味がある」と今回の取り組みの意義を強調。
 田尻日薬副会長は、正しくない情報を信じてしまったことによって起きるリスクや被害を懸念しているとした上で、「継続的に活動を行うことによって、患者が安心安全な治療を受けられるようサポートしていきたい」と述べた。

宣言と呼びかけ
①私達は、医療・医薬品に関する基礎知識の普及啓発を図ってまいります
 病に悩む患者さんが科学的根拠のない情報や極端な情報に翻弄され、予期しない事態に陥ることのないよう、情報の読み解き方等の基本的な知識から医療の不確実性と個別性等を含め、幅広く基礎知識が習得できる資材を協力して作成します。
 これらの資材は、関係した団体のイベント・学術大会での市民公開講座や自治体による各種イベント等での活用を求め、継続して啓発していきます。検定試験等、既存の仕組みや資材も合わせて活用することで、最終的に個人が医療専門家と一緒に自らの症状や疾病に合う治療計画を選択し、理解を深めることができるように支援します。
②私達は、医療・医薬品に関する関係者間の共通認識の醸成に取り組みます
 教育現場への支援を継続すると共に、マスコミとの意見交換会等、医療・医薬品に関する関係者間の理解を深め、互いのコミュニケーションの一助となる場を企画設営します。
 また、科学的に不正確な情報が氾濫することがないよう、関係省庁や学会・医会等で看過できない情報を目にしたとき、速やかに関係者間で情報共有し、質を高める努力をすると同時に国民の方々への注意喚起を行います。
③私達は、専門家の活用をお奨めします
 かかりつけ医:医師は、常に患者さん個々の症状に応じた最善の治療を考えています。健康に関して不安に思っていることや些細なことなど、気兼ねなくいつでもかかりつけ医に相談してください。日頃の診療のほか、必要な時は専門の医療機関の紹介もしてくれます。是非信頼できるかかりつけ医を持っていただき、情報を自己判断する前に頼りにしてください。
 かかりつけ薬剤師:患者さんから薬や健康の相談を受け、情報提供を行うことはもちろん、安全・安心な薬物治療を受けられるよう薬の専門家として常に身近で支援しています。薬剤師は一人ひとりの服薬状況をまとめて管理し、必要に応じて問い合わせや提案も行います。情報を自己判断する前に、かかりつけ薬剤師を頼りにしてください。

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