アンドレイ・ケハイロフSEEMF会長(ブルガリア・前列右から3人目)らと
アンドレイ・ケハイロフSEEMF会長(ブルガリア・前列右から3人目)らと
南東ヨーロッパ医師フォーラム(SEEMF)第9回国際医学会議が9月6日から8日にかけて、ボスニア・ヘルツェゴビナのテスリッチにおいて開催され、横倉義武会長が世界医師会(WMA)会長、日医会長として参加した。
参加者は約400名で、ブルガリア、ギリシャ、ウクライナ、スルプスカ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニア、アルバニア、ラトビア、チェコ、モルドバ、スロベニアの11カ国、欠席は、カザフスタン、ウズベキスタン、アゼルバイジャン、ジョージアの4カ国であった。また、新規にロシア、クロアチア、セルビア、モンテネグロの4カ国が加盟した。
SEEMFは、アルバニア、ブルガリア、ギリシャ、マケドニアの医療団体によって2005年、医療制度において共通する課題を抱える当地域近隣国の医師組織間のプラットフォームとして設立された。
会議では、「医師組織とヘルスケアにおける諸問題」「医療専門家の倫理と道徳」の他、心臓病と血管疾患、外科・小児外科、再生医療、腫瘍学、糖尿病、感染症予防(予防接種)、神経学・精神的トラウマ・精神障害、非感染性疾患などのトピックが取り上げられた。
横倉会長は講演で、人口、平均寿命、死亡原因、がん5年生存率の推移、がん対策基本法等、日本の医療を取り巻く現状を示し、特に1951年の結核予防法の制定により、結核による死亡の割合が低下したことが1961年の国民皆保険達成に大きく寄与したことを述べた。
ユニバーサル・ヘルスカバレッジ(UHC)の推進については、2017年12月に東京で開催されたUHCフォーラム2017において、世界の保健分野のリーダーがUHCの支援を表明し、同フォーラムを通じて、UHCが世界各国の保健政策目標になったこと等、東京宣言の内容にも触れて紹介。
更に、本年4月、UHCの推進をテーマにテドロスWHO事務局長と覚書を締結し、WHOとWMAが協力・連携して取り組んでいくこと、来年6月大阪におけるG20の開催に併せて、H20(Health Professional Meeting 20)の開催を企画していることを説明した。
式典では、SEEMFから横倉会長のWMA会長としての活動を通じた国際医療保健分野における功績を称える賞が授与された。式典に引き続き、SEEMFの役員会が開催され、横倉会長が臨席を求められて出席。役員会では、2019年6月にギリシャで理事会、9月にブルガリアのソフィアで国際会議を開催することを決定した。ギリシャでは、ヒポクラテスの樹の再生事業についても議論することになっている。
また、横倉会長はブルガリア国営テレビのインタビューを受け、長生きをするためには、「たばこを吸わない」「食べ過ぎない」「適切に運動する」ことが重要とするブルガリアの国民向けのメッセージを述べた。