横倉義武会長は4月12日、日医会館を訪問した全国知事会社会保障常任委員会委員長である尾﨑正直高知県知事と会談し、全国知事会が平成30年7月に決議した「健康立国宣言」に基づいた取り組みの成果について説明を受けるとともに、先進・優良事例の横展開の加速に向けた協力要請を受けた。
同宣言は既に、各地域で行われている「インセンティブを活用した健康づくりの取り組み」「運動習慣・食生活の改善」「特定健診等の受診率の向上のための取り組み」「禁煙・受動喫煙防止対策」などの先進・優良事例を共有し、幅広く横展開することで、人々の生活の質の向上を図りつつ、社会保障制度の持続可能性を高めるとともに、社会に活力をもたらす「健康立国」の実現に向けて、地方は「地方の責任」をしっかりと果たすことを宣言したものである。
宣言が取りまとめられた直後の昨年8月3日にも、横倉会長は尾﨑知事と会談しており、同宣言の内容について説明を受けるとともに、今後に向けた協力要請を受けている(別記事参照)。
当日、尾﨑知事は資料を基に、(1)宣言に基づき、21のワーキンググループを立ち上げ、互いにアドバイスなどを行いながら、取り組みを深化させてきた、(2)先進・優良事例の横展開として、今年度は369の取り組みを新規・拡充で実施する予定である、(3)「重症化予防」「地域医療構想実現・地域医療の担い手確保」「在宅医療・介護連携」「仕事と子育ての両立支援」に関しては、政府と意見交換の場を設ける――ことなどを説明。横倉会長に横展開に向けた協力を求めるとともに、「取り組みが非現実的なものとならないよう、医療の専門家の立場からのアドバイスを頂きたい」と述べた。
これに対して、横倉会長は、「宣言を決議されてから短期間でこのような多くの成果を上げられたことに敬意を表したい」と述べるとともに、「日医として、都道府県医師会に地方版の日本健康会議の開催を依頼し、既に6カ所で開催されていること」「昨年9月19日には、日医及び日本糖尿病対策推進会議・埼玉県・埼玉県医師会・埼玉県糖尿病対策推進会議との間で、かかりつけ医の糖尿病診療の推進と重症化予防に向けた連携協定を締結したこと」などを紹介。「今後、日本を明るい長寿社会にしていくためにも、全国知事会の活動の意義は大きい」として、引き続き協力していく考えを示した。