それは、ある日曜の夜、友人からの1本の電話から始まりました。
今メール送った?と聞かれ、送ってないよと伝えると、私からメールが来たんだけど、内容が変なんだよと言うのです。まず、「今忙しい?」から始まり、「大丈夫だよ」と返事をしたら、「LINEが故障して、友達の認証が必要だから、携帯の電話番号を教えて」と言ってきたそうです。その言葉遣いが、日本人らしくなく、のっとりじゃない?!と言うのです。
全く身に覚えがなく、慌ててスマートフォンでFacebookを開けようとするも、開きません。パソコンでは開くことができましたが、出てきた画面に愕然(がくぜん)。チャットのような小さな画面がいくつか並び、のっとり犯と私の友達がリアルタイムに会話をしているのです。このメールはFacebook専用のメッセンジャーというもので、のっとり犯は登録してある友達76人へ、私になりすましてメールを送ったようです。
冷や汗が出ました。のっとられてるから、それ以上返事しないで!と叫んでました。
メールの内容は携帯番号を聞いた後、その番号に検証コードを送り、そこに出てくる4桁の番号を教えて欲しいというものでした。途中から「番号を送信してくれ」とすごい命令口調になっています。ここで、たいていの友人はおかしいと気づいてくれました。目上の先生にまで構わず命令口調で話しており、顔面蒼白でした。
最終的には、コンビニに行って、WebMoneyカード3万円を2枚買ってきてというのが目的だったようです。この時点まで会話して、やっとおかしいと気づいてくれた友人がいました。日本語も変だし、命令口調であるにもかかわらず、ずっと私だと信じてくれたことに複雑な思いです。
のっとられている最中は何もできませんでした。のっとられているので返事しないでとメッセージを載せましたが、のっとり犯にすぐ消されてしまいました。LINEなど他の連絡手段を知っている友人には伝えることができました。約2時間後、のっとり犯がログアウトしたようで、のっとりは終了しました。
「今忙しい?」という絶妙な問い掛けから始まった割には、友人からの質問には全く答えず、変な日本語で要求を続けるので、すぐにのっとりと分かります。かなり利益が少ないものと思われますが、たくさんの友人に迷惑を掛けたため、こちらの心の消耗度は激しく、怒りはしばらく収まりませんでした。
なぜ私がのっとりに遭ったのか? あまり心当たりはないのですが、パスワードが名前と誕生日の組み合わせだったこと、パスワードを使い回していたからかも知れません。のっとり後、パスワードを変更しました。怒りのあまりとても複雑なものにしたため、今、全く思い出せません。(一部省略)