ユカタン自治大学の野口英世像
像向かって左、高瀬大使、向かって右、ウィリアムズ学長、コエーリョセンター長、本間教授らと
ユカタン自治大学の野口英世像
像向かって左、高瀬大使、向かって右、ウィリアムズ学長、コエーリョセンター長、本間教授らと
横倉義武会長は8月9日から15日にかけて、メキシコを訪問。メキシコ日系人医師会及びメキシコ日本医療財団のホセ・ルイス・アカキ会長からの招待に応じ、メキシコシティにおいて開催された野口英世博士来墨100周年記念第6回メキシコ日系医療セミナーに出席した。
本セミナーは、2014年から在メキシコ日本国大使館の協力の下、日系人医師及びメキシコ人医師、医療従事者、市民が参加して行われているもので、今回は約200名が参加した。
10日の同セミナーにおいて横倉会長は、昨年ノーベル医学・生理学賞を受賞した本庶佑京都大学特別教授が、医師を目指した一つのきっかけとして、野口英世博士の伝記に啓発されたことを挙げていたことを紹介した上で、「日本の医療と医師会活動」をテーマに、がんプレシジョン医療プロジェクト、がん治療の将来予測、かかりつけ医を中心とした地域包括ケアシステムの推進、医師会が行う疾病対策等について講演した。
同行した黒川清日本医療政策機構代表理事は、自身が座長を務める野口英世アフリカ賞等について説明。本間俊一ニューヨーク野口英世記念会会長(米国日本人医師会元会長/コロンビア大学循環器系内科学主任教授)は、野口博士の歴史と功績、ニューヨークのウッドローン墓地にある同博士の墓碑等について講演を行った。
会場では、日本の国際医療協力を推進するメディカル・エクセレンス・ジャパン(MEJ)会員企業による展示会が催され、日本の先端医療機器が紹介された。
翌11日には、野口博士が100年前に来墨し黄熱病の研究を行ったユカタン半島メリダ市に移動。横倉会長は、メリダ市文化センターで行われた「ジャパンフェスティバル2019」に高瀬寧在メキシコ日本国特命全権大使等と出席し、メリダ市民に向け、現在に至るまで野口博士の功績が称えられ、息づいていることに対して感謝の意を表した。
12日には、野口博士来墨100周年記念式典がユカタン自治大学の野口英世地域研究センターホールで行われ、横倉会長は祝辞を述べた後、ホセ・ウィリアムズ学長、マティルデ・ヒメネス・コエーリョセンター長らと共に野口博士の銅像に献花を行った。
その後、横倉会長は、「今に生きる野口英世博士の功績」をテーマとしたパネルディスカッション(座長:カルロス・カストロ・サンソーレス医学部長)に参加した。
13日には、メリダからメキシコシティに移動し、高瀬大使等と保健省を訪問。ホルヘ・アルコセル・バレーラ保健大臣と10月のG20保健大臣会合などの話題で懇談した。
次に、医療の質の保証、病院の認証、保健に関する公共政策の策定等、国の保健制度の中枢を担っている保健衛生審議会との協議を行った。
その後、政府の諮問機関である国立医学アカデミーを訪問し、テレシータ・コロナ・バスケス総裁等と面談。バスケス総裁は、日本の医療、医学分野との二国間の交流について大きな関心を寄せ、高瀬大使、アカキ会長にメキシコにおける協力、横倉会長に日本からの協力をそれぞれ求めた。