レネ・ヘマン オランダ医師会長(左中央)と役員
レネ・ヘマン オランダ医師会長(左中央)と役員
横倉会長は9月25日、オランダのロッテルダムにおいて開催された「Health Holland Visitors Program2019」に、鈴木邦彦元常任理事と参加し、医療制度、認知症対策等のセミナー、及びエラスムス大学医療センターの視察等を通じてオランダの医療の実態に触れた。
今回の視察は、本年1月、在日本オランダ大使館経済部からの紹介で、オランダ経済省の企業庁の日本の医療・介護調査チームであるTask Force Health Careの調査担当官が横倉会長を訪問したことが契機となり、実現したものである。
オランダにおいても高齢化の問題が進展し、持続的な医療・介護サービスの提供が大きな課題となっている。
そのため、今後、国民皆保険である公的医療保険制度の下、地域包括ケアシステムにおけるかかりつけ医を中心とした地域医療や介護保険制度、超高齢社会における日医の健康長寿社会の構築に向けた取り組み等、日本の体制について調査を行うとともに、経済省、保健省を含む関係省庁や業界団体と情報を共有することを目指しており、日医にも調査の協力依頼が寄せられると思われる。
同日夜には、オランダ医師会レネ・ヘマン会長主催による夕食会に招待され、ヘマン会長及び同医師会役員と懇談を行った。
オランダでは安楽死が法制化されているが、世界医師会(WMA)は安楽死に反対しており、その議論の過程でオランダ医師会は昨年末、一時的にWMAを脱退している。
横倉会長は、日本で安楽死を取り上げたドキュメンタリー番組が国民の反響を呼んだことを紹介。また、アジア大洋州医師会連合(CMAAO)の加盟医師会では、安楽死に反対する意見が大勢であったこと、WMAの議論でも安楽死が法制化されている国の意見を尊重していることなどを説明し、同医師会の早い時期でのWMAへの再加盟をヘマン会長に呼び掛けた。