「2019ワールド・アライアンス・フォーラムinサンフランシスコ(WAFSF)」が10月29、30の両日にわたって開催され、主催者である原丈二アライアンス・フォーラム財団代表理事から横倉会長への招待に応じ、今村聡副会長が代理出席した。
当フォーラムでは、「Healthcare Game Changers:新たなトレンドとテクノロジー」をテーマに、「天寿を全うする直前まで健康でいられる社会を実現する」ために必要不可欠な、技術革新、制度革新、イノベーション・エコシステムに関する課題について議論が行われた。
WAFSFは、2013年以来、再生医療、先端技術の開発、応用、産業化を目指し、同財団が日本国政府と共同で主催している。
当フォーラムには、米国・日本を中心に、世界各国の研究者、有識者、関連団体、企業から約270名が参加した。
今村副会長は30日の冒頭、来賓あいさつとして、横倉会長のあいさつを代読した。
その中では、超高齢社会に直面する日本において、一人ひとりが人生100年時代を想定した健康生活を改めて考える必要があるとするとともに、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジとしての国民皆保険制度を守っていくことの重要性を強調した。
また、予防、健康づくりの取り組みの推進の必要性にも言及した他、本年3月、日医が『日本の医療のグランドデザイン2030』を公表し、2030年の医療のあるべき姿を示したことを説明した。
更に、「科学・医療技術の飛躍的な進歩は、治療が難しいとされてきた病気に対する治療の選択肢をもたらすだけでなく、将来病気になる可能性を予測できるようにもなってきたが、その一方で、プライバシーや遺伝子を利用した差別等、より複雑で多様な倫理的・法的・社会的問題が生じることにも留意する必要がある」と指摘。ヒトの健康に関する情報は、究極の個人情報であることから、それを取り扱う全ての者は高い倫理観をもち、引き続き技術と制度の革新に向けて取り組んでいくことが重要であるとした。