皆さんは人生時計を知っていますか。
「人生時計」とは、人生を1日(24時間)に換算して、今自分は何時頃にいるのかを考えるものです。人生を24時間に縮小することで、自分は今人生のどの辺りにいるかを実感しやすくなると言われています。還暦を迎えるに当たり、人生時計を使ってこれからのことを考えてみたいと思います。
60歳の男性の平均余命は83・7歳ですので、83・7歳を1日24時間で割ると約3・5となり、1時間3・5年として計算しますと、60歳の人生時計の時刻は午後5時9分となります。
この時間から午後12時に寝付くまで皆さんなら何をしますか。私なら、少し疲れてきたけれど最後の頑張りで午後7時くらいまで仕事をして、それから人生最大のご褒美である晩御飯の準備に入ります。美味しいお酒とディナー、そして1人の食事は寂しいので、妻とそして数人の気の置けない友人とワイワイお酒を飲みながらの食事ができれば最高です。
午後9時には夕食も終わり、後片付けとお風呂に入って午後10時にはそろそろ寝る準備に入ります。やり残した事のまとめ、整理、処分、いろいろありそうです。そして午後12時に今日は良い一日だった感じながら布団に入ります。ちょっぴり夜更かしできれば最高です。
こんな風に残りの人生を考えると、まだまだいろいろ楽しそうです。ただ、残された時間をフルに活用するためには、普通に日常生活を送ることができる体力、気力が必要です。寝たきりになれば午後9時、10時に早寝することと同じです。既にあまり無理ができなくなっていますが、還暦を機にもう少し日々の食事、運動、睡眠などに気を配りたいと思っています。
いつの間にやら還暦になってしまったというのが実感ですが、でもまだ私の人生は6時間以上もあります。やりたいこと、やらなくてはいけないこと一つひとつ丁寧にこなしながら、充実した時間を過ごしたいと思います。
(一部省略)
愛知県 豊橋市医師会会報 No.793より