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令和2年(2020年)2月5日(水) / 日医ニュース

第8回「日本医師会 赤ひげ大賞」の受賞者を公表

 日医ではこのほど、第8回「日本医師会 赤ひげ大賞」(主催:日医、産経新聞社、特別協賛:太陽生命保険株式会社)の受賞者を決定し、城守国斗常任理事が今年初めての開催となった、1月8日の定例記者会見で公表した。
 本賞は、「地域の医療現場で長年にわたり、健康を中心に地域住民の生活を支えている医師にスポットを当て、その活動を顕彰すること」を目的として、平成24年に創設したものである。
 第8回目となる今回は、より多くの医師の功績を顕彰することを目的として、「赤ひげ功労賞」を新設。都道府県医師会から推薦のあった医師から「赤ひげ功労賞」受賞者を決定し、その中から更に「赤ひげ大賞」受賞者5名を絞り込む形とした。
 昨年11月21日に開催した選考会では、別掲の選考委員による白熱した議論を経て、「赤ひげ大賞」の受賞者として、岩手県医師会推薦の木澤健一先生、群馬県医師会推薦の内田好司先生、鳥取県医師会推薦の湯川喜美先生、広島県医師会推薦の釈舎(ときや)龍三先生、鹿児島県医師会推薦の古江増蔵先生の5名(順列は北から)に決定した(受賞者の功績等は下記参照)
 会見で受賞者決定までの経緯等を説明した城守常任理事は、「今回の受賞者には、これまでで最高齢となる98歳の古江先生を始め、90代の現役の先生が二人もおられるが、その功績には頭が下がる思いである。その他3名の先生方も、これまでの受賞者同様、素晴らしい活動をされている方々ばかりであった」と述べ、受賞者の功績を称えるとともに、「一人でも多くの国民に、このような先生をかかりつけ医としたいと思ってもらえるよう、その功績が広く周知されることを望む」とした。
 なお、表彰式・レセプションは、「赤ひげ大賞」「赤ひげ功労賞」の受賞者を招いて、3月13日午後5時より都内のホテルで開催する予定となっている(後日、本紙で詳報)。

「赤ひげ大賞」受賞者

(順列は北から・敬称略。受賞者の年齢は2020年1月8日現在)

木澤 健一(きざわ けんいち) 医師

91歳 岩手県 木沢医院 院長
200205a1.jpg地域唯一の診療所を開設し、昭和38年から56年間にわたって地域住民の健康管理に貢献。地域の学校医としても64年間、現在に至るまで児童生徒の健康管理に多大な尽力をしている。東日本大震災では自宅、診療所も津波にのみ込まれ、診療所1階の天井まで浸水する大規模半壊の被害に遭うものの、2階部分を活用し診療を続けるなど、寸暇を惜しんで患者の診療に当たった。現在も、地域の人々に寄り添い、地域の復興と医療の再生に力を注いでいる。

 

内田 好司(うちだ よしじ) 医師

200205a2.jpg83歳 群馬県 内田病院 顧問
将来の高齢化を見据え、地域で医療・介護を一体的に対応できる医療機関づくりを目指し、昭和63年に内田病院と県内初の認知症専門棟を有する老人保健施設を開設した。身体抑制廃止を宣言し、縛らない医療・看護を実践。全国への普及活動にも力を入れている。また、認知症高齢者の行方不明事故を未然に防止し、地域で見守るシステムとして「沼田市認知症にやさしい地域づくりネットワーク」を設立するなど、官民一体連携の全国的な先進事例をつくった。

 

湯川 喜美(ゆかわ きみ) 医師

200205a3.jpg83歳 鳥取県 湯川医院 院長
「病気を見る医者より、病人を診る医者になれ」を座右の銘とし、患者の訴えに耳を傾ける姿勢を貫き、開業医として地域医療の最前線で活動している。女性医師が少ない時代には、心無いことを言う患者もいる中で、女性であることの特性を活かし、患者へのきめ細やかな愛情を注いだ。患者は超高齢者も多く、在宅・往診に加えて看取りなどにも携わっている。今でも、積雪の多い冬季には自身の運転で患者宅まで駆けつけるなど、患者家族に寄り添いながら診療を続けている。

 

釈舎 龍三(ときや りゅうぞう) 医師

200205a4.jpg61歳 広島県 ときや内科 理事長
28年間、瀬戸内地域の島民の「かかりつけ医」として、24時間365日診療を続けている。最期は島で迎えたいとの島民の要望に応えて在宅診療にも取り組む傍ら、多職種との勉強会の他、在宅で最期を看取った患者家族も参加する町民向けシンポジウムも頻繁に開催。離島の医療は天候に影響され、救急医療は極めて困難を要するが、昼夜問わず救急患者を受け入れられるように医療機器を率先して導入するなど、その体制整備にも尽力している。

 

古江 増蔵(ふるえ ますぞう) 医師

200205a5.jpg98歳 鹿児島県 医療法人・社会福祉法人桃蹊会 理事長
70年余りにわたり、医療・福祉の充実を目指して患者に寄り添った地域医療に献身的に尽力し、地域に密着した「かかりつけ医」として98歳の今でも現役で活躍している。95歳までは自ら車を運転し、訪問診療も実施してきた。また、65年もの間、学校医として児童生徒の健康増進・疾病予防に精力的に取り組むとともに、医療と福祉のスムーズな連携の必要性から、障害者支援施設や特別養護老人ホーム等を開設し、地域住民や家族に大きな安心感と喜びをもたらしている。

 

「赤ひげ功労賞」受賞者

(順列は北から・敬称略)

増子 詠一(ますこ えいいち)(北海道)
坂井 武昭(さかい たけあき)(宮城県)
小林  達(こばやし とおる)(山形県)
赤松 郁夫(あかまつ いくお)(栃木県)
山田  茂(やまだ しげる)(千葉県)
前田 立雄(まえだ りつお)(東京都)
天野 隆三(あまの たかぞう)(山梨県)
櫻田  修(さくらだ おさむ)(静岡県)
山口  勇(やまぐち いさむ)(愛知県)
駒田 敏之(こまだ としゆき)(三重県)
川村 治雄(かわむら はるお)(京都府)
辰見 宣夫(たつみ のぶお)(大阪府)
北浦 信子(きたうら のぶこ)(奈良県)
横矢 行弘(よこや ゆきひろ)(和歌山県)
笠松 由華(かさまつ ゆか)(徳島県)
大森  茂(おおもり しげる)(香川県)
橋本 信男(はしもと のぶお)(福岡県)
中村 義清(なかむら よしきよ)(沖縄県)

「日本医師会 赤ひげ大賞」選考委員

(順不同・敬称略)

羽毛田信吾(昭和館館長、宮内庁参与)
向井 千秋(宇宙航空研究開発機構特別参与、東京理科大学特任副学長)
檀  ふみ(女優)
ロバート・キャンベル(国文学研究資料館館長)
河合 雅司(作家・人口減少対策総合研究所理事長)
吉田  学(厚生労働省医政局長)
小玉 弘之(日医常任理事)
城守 国斗(日医常任理事)
鈴木 裕一(産経新聞社上席執行役員)
乾  正人(産経新聞社執行役員論説委員長)

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