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令和2年(2020年)3月20日(金) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

安倍総理に新型コロナウイルス感染症に関する要望書を提出

 日本国内の複数の地域で、感染経路が明らかでない新型コロナウイルス感染症の患者が散発的に発生していることを踏まえて、横倉義武会長は2月27日、今村聡副会長、釜萢敏常任理事と共に総理官邸を訪れ、安倍晋三内閣総理大臣、西村明宏内閣官房副長官と会談するとともに、要望書を直接手渡した。
 会談の中で、横倉会長は、日本の現状について国民・医療関係者が一体となって拡大防止に努めていかなければならない状況にあると指摘。感染の集団発生(クラスター)の連鎖拡大を抑えるため、3月を国において「新型コロナウイルス感染拡大防止強化月間」に位置付けることを求めた。
 更に、横倉会長は、(1)患者の集団発生や地域の流行状況に応じ、学校医と相談の上、地域における学校の臨時休業や春休みの弾力的な設定、(2)医療現場におけるマスク、手袋、防護具、消毒薬等を含めた医療資機材の確保と迅速な配備、(3)医師の判断によるPCR検査を確実に実施する体制の強化、(4)診断キット、治療薬、ワクチンの早期開発への最大限の尽力、(5)感染症危機管理体制の強化、並びに健康医療情報を学術的な見地から国民に発信し情報共有ができる『いわゆる日本版CDC』の創設―の5点について実現を強く要望した。
 これらの要望に対して、安倍総理は一定の理解を示した上で、PCR検査に関しては、「医師が検査をすることが必要と考える人達には検査を実施できるようにしていきたい」と述べた。
 また、両者は、これからはいかに感染の拡大を防ぎ、国民に安心して暮らしてもらうかが大事になるとの認識で一致。安倍総理からは、「今のような状況の際に国民は、身近で安心できるかかりつけ医に診てもらいたいと考えると思う」として、横倉会長に感染拡大防止に向けた引き続きの協力が要請された。

令和2年2月27日

内閣総理大臣
 安倍 晋三 殿

新型コロナウイルス対策に関する要望書
日 本 医 師 会
会長 横倉 義武



 日本国内の複数の地域で感染経路が明らかでない新型コロナウイルス感染症の患者が散発的に発生しており、国民・医療関係者が一体となって拡大防止に努めていかなければならない状況です。

 感染の集団発生(クラスター)の連鎖拡大を抑えるため、3月を国において「新型コロナウイルス感染拡大防止強化月間」に位置付けていただきますようお願いいたします。

 併せて、以下の点について要望いたします。

1.患者クラスターや地域の流行状況に応じ、学校医と相談のうえ、地域における学校の臨時休業や春休みの弾力的な設定

2.医療現場におけるマスク、手袋、防護具、消毒薬等を含めた医療資機材の確保と迅速な配備

3.医師の判断によるPCR検査を確実に実施する体制の強化

4.診断キット、治療薬、ワクチンの早期開発への最大限の尽力

5.感染症危機管理体制の強化、並びに健康医療情報を学術的な見地から国民に発信し情報共有ができる「いわゆる日本版CDC」の創設

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