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令和2年(2020年)3月23日(月) / 「日医君」だより

第4回都道府県医師会新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会

 第4回都道府県医師会新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会が3月19日に、テレビ会議システムを利用して、日医会館で開催された。

 冒頭あいさつした横倉義武会長は群馬、兵庫両県で新型コロナウイルスに感染してしまった医師に対して、一部の報道や行政から、非難の声が挙がっていることに遺憾の意を表明。群馬県知事に対しては文書を送付し、医療について理解を求めていく意向を示した。

 また、マスクなどの感染防護具の不足の問題に関しては、「引き続き、現場の声を政府に届けていく中で、医師や医療関係者が治療に専念できる環境整備に努めていく」とした。

 議事では、釜萢敏常任理事が「地域の流行状況に応じた医療提供体制の整備」として、感染の疑いがある患者の相談支援に当たる「〇〇医師会新型コロナ相談外来」を設置について説明。また、「サージカルマスク及び手指衛生」という標準予防策を徹底していれば、新型コロナ感染症の陽性者を診察したとしても、濃厚接触者には当たらないこと等を示した「濃厚接触による自主的な就業制限、施設の使用制限に関する日医の考え方」(たたき台案)について、説明を行った。

 この問題に関連して、奈良県医師会は県庁から、「新型コロナ感染症の感染者を全ての診療所で診て欲しい」との依頼があったことを報告。そうした動きが全国に広がることのないよう、厚生労働省への働き掛けを求めるとともに、集中的に検査ができる施設を設け、コロナ以外の患者を診療所で診るといった仕組みをつくることを提案した。

 発熱外来に対する日医の考えを問う大阪府医師会からの質問には、釜萢常任理事が、新型インフルエンザの大流行の際に患者が発熱外来に集中したため、感染が広がってしまったことを踏まえた対応が必要だと指摘。栃木県医師会からの相談外来を設置した場合の費用負担に関する質問には、行政から必要な支援が受けられるよう調整したいとの考えを示した。

 兵庫県医師会から、医師の感染が起こった医療機関に風評被害があるとして、日医に国民の理解を求める広報活動を求める要望が出されたことに対しては、城守国斗常任理事が、横倉会長も出演した動画を制作予定であることを明らかとし、理解を求めた。

 松本吉郎常任理事は、日本医師会医師賠償責任保険制度の付帯サービスとして、本年4月1日より、「医療通訳サービス」を開始することを紹介。その利用を呼び掛けた。

 日医が都道府県医師会を対象として実施していた「PCR検査を巡る不適切事例調査」の結果に関しては、釜萢常任理事が26医師会から290件の不適切事例(3月16日現在)があったことを報告。「その背景には、各地域でPCR検査が可能な数も限られ、絞らざるを得なかったことがある」として、改善を求めていく考えを示した。

 江澤和彦常任理事は、都道府県が地域医療介護総合確保基金を使って消毒液等を購入し、介護施設等に提供すること、また、マスクについては国が2000万枚を買い上げ、介護施設等に直接提供することなどの情報提供を行った。

 その他、岡山県医師会は公的な健診の場や保育園が感染源となることへの懸念を示すとともに、早期の対応を要望。兵庫県医師会が隣接県と協力して重症患者を診られるようにすることを求めたことに対して、石川広己常任理事は、ブロック単位で対応できるよう、厚労省とも調整中であり、近々通知が出される予定であることを明らかとした。

 新型のコロナウイルス簡易検査キットに関する福井県医師会からの質問には、江澤常任理事が患者からの飛沫感染リスクが軽減されるメリットがある一方、「臨床試験が中国のみ」「1週間当たりの生産量が今のところ少ない」などの問題もあるとした上で、今後もその状況を注視し、的確な情報を提供していく考えを表明。釜萢常任理事は、今後幅広く提供されるようになった際の対応等について、厚労省と協議中であることを説明した。

 なお、本連絡協議会については現状を踏まえ、4月も毎週金曜日に開催することになった。

新型コロナウイルス感染症

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