閉じる

令和2年(2020年)3月30日(月) / 「日医君」だより

第5回新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会

 第5回都道府県医師会新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会が3月27日、テレビ会議システムを利用して、日医会館で開催された。

 冒頭あいさつした横倉会長は、ひとたび爆発的な感染拡大が起きれば医療崩壊を引き起こしかねない現状を踏まえ、4月を「新型コロナウイルス感染拡大防止推進月間」と位置付けたことなどを説明。今後については、現場の声をしっかりと政府に届けていく中で、医師や医療関係者が医療に専念できる環境整備に努めていく考えを改めて示し、引き続きの協力を求めた。

 当日は、まず、小玉弘之常任理事が3月23日付で発出した通知「厚生労働省のセーフティーネット保証5号(緊急保証制度)に係る緊急業務調査への協力のお願い」について説明。「資金繰りの選択肢を増やすためにも協力をお願いしたい」と述べた。

 松本吉郎常任理事は、中医協総会(3月25日開催)において示された資料「新型コロナウイルス感染症に伴う医療保険制度の主な対応状況について」の内容を概説。厚労省事務局からは、「個別の状況を踏まえて更なる対応をしたい」と前向きな回答を得ていることを紹介するとともに、引き続き、柔軟な対応を求めていく考えを示した。

 また、松本常任理事は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による医療機関への影響(都道府県医師会の社会保険担当理事はじめ役員が所属する医療機関の状況、地域の会員医療機関で医業経営に支障を来たしている具体的な事例など)を把握するため、4月17日を締め切りとして調査を行うことを説明し、協力を求めた。

 釜萢常任理事は、「新型インフルエンザ等対策有識者会議・基本的対策方針等諮問委員会」の初会合が当日夕刻に開催され、「基本的対処方針」の策定に向けた議論が行われたこと、委員会の中では、新型コロナウイルスは発症1日前にかなりの感染力を持つとの知見や、夜の飲食街で感染が広がっていることなどが説明されたことなどを報告。

 その上で、「事態は切迫しており、医療提供体制をどう維持していくかが大きな課題になる」と述べ、都道府県医師会に、(1)各医療機関に対して、かかりつけの患者さんを中心に、更なる電話相談への対応を依頼する、(2)新型コロナウイルス感染者への各医療機関の役割分担の明確化とともに、それ以外の医療需要に十分配慮した地域に必要な医療提供体制の確保、(3)「帰国者・接触者外来」の業務状況を把握し、業務支援が必要か否かを検討する、(4)医師がPCR検査の適応と判断した場合に、速やかに検査につなげるため、行政と共同で感染の疑い者を直接診察できる施設を設け、原則として医療機関からの紹介者を診察し、可能であれば、検体採取を実施する―を要請した。

 質疑の中では、大阪府医師会からのICUの確保に関する質問に対して、石川広己常任理事が都道府県で調整本部を設置し、その中でコーディネートを行うとする厚労省の方針を説明。「まずは、コーディネーターを決めて対応して欲しい」と述べた。

 高齢者施設での対応に関する静岡県医師会からの要望には、江澤和彦常任理事が厚労省に対して、寝たきりで動けない入居者が感染してしまった場合には保健所に来てもらえるよう要請していることを説明した。

 その他、日医に対しては、「患者や医療機関スタッフが抱える不安に対するケア」(大分県医師会)、「感染した野球選手が臭覚障害を訴えていたことを踏まえ、症例定義を見直すこと」(兵庫県医師会)、「院内感染が出た医療機関がどのように診療を再開したか等の情報収集」(徳島県医師会)―などの要望が出された。

 最後に、中川俊男副会長が、「いつ、どこで大きな感染拡大が起きるか分からない。感染者が少ない地域の医師会には、ぜひ、感染者が増えている地域の対応を参考として、準備を進めて欲しい」と述べ、連絡協議会は終了となった。

◆映像でご覧いただけます(メンバーズルーム内)
新型コロナウイルス感染症
※メンバーズルーム内に入るためにはアカウントが必要となります。

戻る

シェア

ページトップへ

閉じる