新型コロナウイルス感染症の昨今の状況について（総論）

　中川俊男会長は７月29日の定例記者会見で、新型コロナウイルス感染症の昨今の状況を踏まえた日医の見解を述べた。

　同会長はまず、前々回（７月15日）の定例記者会見において「新型コロナウイルス感染症対策再強化宣言」を宣言するとともに、前回（７月22日）の会見において国民に対し「我慢の４連休」とすることを求めたことに触れ、「成果が表れるのはまだ先だが、国民の皆様には、引き続き３つの密を避けることや、不要不急の外出を避けて頂きたい。今後、感染が拡大するのか、収束に向かうのかは国民の皆様一人ひとりの行動に掛かっている」と重ねて行動の自粛を要請した。

　首都圏を始め、全国で新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が急速に増加していることに関しては、ＰＣＲ検査を迅速に広く行っていくため、日医から提言を出すべく、会内で鋭意検討中であることを明らかにするとともに、「ＰＣＲ検査の拡大によって、軽症・無症状を含めた感染者数が急増することが予想されるが、出た数字を正しく分析し、エビデンスに基づいてしっかりと対策を講じていかなくてはならない」と強調した。

　更に中川会長は、感染拡大に伴い、医療機関ではこれまで以上に感染防止対策に取り組んでいるものの、感染リスクを恐れて、医療機関への受診や予防接種を控えたり、健康診断を取りやめる人も少なくないとして、「このままでは、日本の医療の良さである病気の早期発見、早期予防にも支障を来し、国民の皆様の健康にも深刻な影響を与えかねない」と危惧。

　医療機関に行ったら感染するのではないかという不安を払拭する第一歩として作成した「みんなで安心マーク」を近日にも公開するとし、このマークが掲示してある医療機関には安心して受診して欲しいと呼び掛けた。