日医定例記者会見 8月5・19日
神村裕子常任理事は、ポビドンヨード含有うがい薬に関する各種報道について、販売店に客が殺到するなど、国民生活に混乱が生じていることに強い懸念を示すとともに、報道関係者と国民に冷静な対応を呼び掛けた。
同常任理事はまず、自身も副委員長として関与し、本年6月に取りまとめられた会内の「健康食品安全対策委員会」(委員長:尾﨑治夫東京都医師会長)の報告書において、ヘルスリテラシーの重要性が指摘される一方、新型コロナウイルス感染症流行下で、情報のパンデミックであるインフォデミックによって国民が振り回されていることなどが指摘されたことに触れ、「今回もそのような事例の一つとなってしまった。国民の皆さんは、世に出された情報に飛びつくのではなく、一度立ち止まって冷静に情報を吟味してから、次の行動に移して欲しい」と述べた。
また、特に注意しなければならない情報として「″●●をすれば治る・良くなる"といった単純な図式の情報」を挙げた上で、同報告書に記載されている医療・健康情報を判断するキーワードとして、「いなかもち(あるいは、″かちもない")」を紹介。
それぞれの文字には、①い:いつの情報か?、②な:何のために書かれたか?、③か:書いた人はだれか?、④も:元ネタ(根拠)は何か?、⑤ち:違う情報と比べたか?―という意味が当てられており、⑤については、「他の多くの情報とは全く違うかもしれないということを念頭に置きながら、冷静に再検討頂きたい」と補足した。
最後に、同常任理事は、ポビドンヨード含有うがい薬は第三類の一般用医薬品であることから、転売が薬機法違反となることを強調。また、一般用医薬品を購入する際等には、ヘルスリテラシーの基本として、有効成分など正しい基礎情報をきちんと収集した上での判断を呼び掛けた。
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