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令和2年(2020年)12月10日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース

総論(新型コロナウイルス感染症の感染状況を受けて)

 中川俊男会長は12月9日の定例記者会見で、新型コロナウイルス感染症の感染者増加によって医療従事者の心身の疲弊もピークに達しているとして、改めて国民に対して日常生活における基本的な感染防止対策の励行を呼び掛けた。

 同会長は、自身の出身地でもある旭川市で医療機関における新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生するなど、医療提供体制がひっ迫している状況に触れた上で、「これは北海道に限った話ではなく、低温、低湿の南下に伴って、地域医療が瀬戸際に追い込まれる状況は全国どこでも起こり得る」と懸念。

 感染者の増加により、医師、看護師等の医療従事者の心身の疲弊もピークに達しているとして、「医療提供体制で最も重要なのはそこで働く医療従事者。処遇面や人材確保など早急な国の支援が必要だが、一番の支援は感染者を極力増やさないことである」と強調した。

 また、12月3日に開催された厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード会議で、20代から50代で、県をまたいで移動する人が他地域への感染を広げている例が多いとの報告があったことに触れ、誰もが感染している可能性があることを踏まえ、「うつらない」だけでなく「うつさない」ことが大切であるという初心に立ち返るべきだとした。

 その上で、「旅行などを計画されている方は、それが今でなければならないのか、もう一度考えて頂きたい。仕事などで移動される方や、特に、若い世代の方々には、移動先での行動や所作、立ち振る舞いにも、十分気をつけて頂きたい」と要請。

 最強の感染拡大防止策は、一人ひとりの日常の慎重な所作と行動であるとして、「人との距離」「手洗い」「マスク着用」などの基本的な感染防止対策と、感染リスクが高まる場面の回避、換気などの徹底を改めて求めるとともに、「このまま感染者数が増え続けるのか、減少に転じるのかは、この師走が正念場である。日本国民の公衆衛生意識の高さ、感染予防意識の高さは、必ず収束へ反転するきっかけとなり、最終的な終息への突破口につながると信じている」と述べた。

 この他、感染者への誹謗中傷や風評被害にも言及し、「新型コロナウイルス感染症が日本に上陸し、感染が広がったことについて、感染者本人や家族には何の落ち度もない。感染者への非難や中傷はやめて頂きたい」と理解を求めた。

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