閉じる

令和3年(2021年)1月5日(火) / 「日医君」だより

第20回都道府県医師会新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会

 第20回都道府県医師会新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会が12月25日、日本医師会館でWEB会議により開催された。

 冒頭あいさつした中川俊男会長は9つの医療関係団体で医療緊急事態を宣言したことなどを報告した上で、「年末年始が本当の正念場であると考えている。医療従事者を含めたすべての日本国民が一致団結し、共にこの難局を乗り越えていけるよう、一層の理解と支援をお願いしたい」と述べた。

 当日の議事は(1)新型コロナウイルス感染症の直近の状況等について、(2) 厚生労働省感染拡大に伴う入院患者増加に対応するための医療提供体制パッケージについて 、(3)「新型コロナウイルス感染症医療機関等情報支援システム(G-MIS)」のシステム改修に伴う対応について(厚労省)、(4)補正予算予備費による更なる病床確保のための新型コロナ患者の入院受入医療機関への緊急支援について、(5)新型コロナウイルス感染症に対応した医療機関等への更なる支援(第3次補正予算・診療報酬等)について、(6)新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業に関するQ&A(第10 版) について、(7)新型コロナウイルスワクチンの接種体制確保について(厚労省)、(8)「年末年始における医療提供体制等に関する緊急調査」について、(9)高齢者施設等の感染対策について―等であった。

 (1)、(2)については、釜萢敏常任理事が説明を行った。(1)については、東京を中心とする首都圏で全国の半数を超える新規感染者が見られる一方で、広範な地域に感染が拡大している状況にあるとするとともに、新規感染者が減少に転じたものの引き続き医療機関への大きな負荷が続いている北海道、これまでは感染者が少なかったが、感染が拡大している東北地方などについても言及があった。

 また、(2)に関しては、地域における医療機関間で、お互いの感染者受入れ状況を「見える化」することなど、パッケージの内容を説明。都道府県医師会からは「クラスターの発生を防ぐためにも、従業員の管理マニュアルをつくって欲しい」(青森県医師会)、「パッケージにはその活用も明記されているが、『宿泊療養』を主体的に位置づけるなど、総合的な観点が必要」(兵庫県医師会)、「群馬県のクラスター防止対策チーム(CMAT)に対する補助を改善して欲しい」(群馬県医師会)といった意見などが出された。

 (3)に関しては、厚労省から、①運用面の不安定性の改善を目的として、2021年1月中旬にG-MISを改修する②新システムへの移行により、厚労省からの通知文書が探しやすくなるなどの機能の充実が図られる③操作方法等に関するWEB説明会を複数回開催予定である―ことなどの説明が行われた。

 (4)、(5)、(6)に関しては、松本吉郎常任理事から説明が行われた。
 (4)では、当日に閣議決定された「病床逼迫地域において、重症者病床1床につき1500万円、重症者病床以外のコロナ患者を受け入れた病床は1床につき450万円を補助する今年度の緊急的な措置」などに触れ、「大きな支援となっており、ぜひ活用して欲しい」とした。

 (5)では、「新型コロナウイルス感染症からの回復患者の転院支援」「外来における小児診療棟に係る評価」による診療報酬上の手当てとともに、国の直接執行補助事業として、診療・検査医療機関等の感染防止等の支援などが盛り込まれたことを概説し、既述のCMATに関する補助も含め、各補助事業の活用を求めた。(6)では、日本医師会の強い働き掛けにより感染拡大防止等支援事業の補助対象を幅広く明示した12月22日付厚労省Q&A(第 10 版)について、対象費用の内容を概説するとともに、「医療機関が対象となる経費を誤認して金額を過小に申請した場合、都道府県が認める場合には、再申請ができること」が明記されたことを紹介。Q&Aに基づき、柔軟な運用ができるよう、行政に働き掛けて欲しいとした。

 (7)に関しては、厚労省から接種体制の基本設計やV‐SYSの仕組み、ワクチンの配分や接種順位、スケジュール等の説明があり、引き続きの協力が求められた。これに対して、都道府県医師会からは、「副反応・副作用に関するマニュアルの作成」(青森県医師会)や「通所介護施設の従業員も優先接種の対象に含めること」(静岡県医師会)を求める意見などが出された。

 (8)に関しては、釜萢常任理事が当日の10時時点の速報値として都道府県・郡市区医師会合わせて192医師会から回答を得た結果、総合的に見た年末年始の医療提供体制の構築状況は全体的におおむね十分であるが、郡市区医師会単位では不十分な地域が一部で見られることが明らかになったことを報告。引き続きの協力を求めた。

 また、(9)については江澤和彦常任理事が厚労省から高齢者施設等への重点的な検査の徹底に関して、11月19日付で厚労省から通知が発出されていることなどを紹介。施設で患者が出た場合の対応策を事前に話し合っておく必要性を強調した。

 最後にあいさつした中川会長は、当日の熱心な議論に感謝の意を示した上で、「医師会を頼りにしている国民は多い」として、医師会が果たす役割の重要性を強調するとともに、引き続きの協力を求め、協議会は終了となった。

 次回は1月18日に開催する予定となっている。

◆映像・資料はメンバーズルーム内よりご覧いただけます。
映像配信 新型コロナウイルス感染症関係

戻る

シェア

ページトップへ

閉じる