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令和3年(2021年)2月5日(金) / 南から北から / 日医ニュース

諸行無常

 医者になり、結婚してすぐに子どもを授かってから仕事と家庭に追われて10年ほど経ってしまった。家庭に追われて自由が減って好きなこともできにくくなり、気が付けば人に言えるような趣味が無くなってしまったが、逆に子どもが育ってからは各所の公園を探して行ってみることが趣味のようになった。
 調べてみるまでは、誰でもそうだろうが公園なんて滑り台とブランコ、砂場がある程度にしか思っていなかった。しかし、最近の公園は想像と違って大人も思わず楽しくなったり、(高さ的に)怖くなったりする遊具が設置されていた。
 3階くらいの高さから垂直に落ちる滑り台や、山の斜面を使った果てしなく長いローラー滑り台、アスレチックのような遊具など自分の子どもの頃では全く想像もできない物が各所にできていた。また、そういう公園は郊外に多いため、行くだけでもちょっとしたでき事になり、旅行などしなくても非日常を味わうには十分なものだった。
 もちろん期待しながら行ってみても、いわゆる写真詐欺のような場所もいくつかあった。それもまたたどり着くまでのドキドキ感を演出するものとなり、いつの間にか新しい公園を探して行ってみることは、子ども以上に楽しみだったりもする。
 しかし、無情にも時は流れていき、公園探しにしっかりはまった頃には子どもも成長して公園への興味を無くして行きたがらなくなってしまったことが、最近の悩みとなってしまった。

福岡県 福岡市医報 NO.673より

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