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令和3年(2021年)2月20日(土) / 日医ニュース

新型コロナウイルス感染症に関する医療機関向け補助制度 (令和3年2月10日現在)

 新型コロナウイルス感染症にさまざまな形で対応する医療機関に対して各種の補助が手当されています。ここでは主な補助制度をご紹介します。

(1)医療機関・薬局等における感染拡大防止等の支援
(2)新型コロナウイルス感染症感染拡大防止・医療提供体制確保支援補助金
(3)救急・周産期・小児医療機関への支援
(4)医療資格者等の労災給付の上乗せを行う医療機関等への補助
(5)更なる病床確保のための新型コロナ患者の入院受入医療機関への緊急支援
(6)新型コロナ患者等を受け入れるための病床確保の補助(病床確保料)
(7)医師・看護師等を派遣する医療機関への補助
(8)新型コロナ患者等入院医療機関への外国人患者の受入体制確保の支援

(1)医療機関・薬局等における感染拡大防止等の支援

 令和2年4月1日から令和3年3月31日までに掛かる費用が対象です。無床診療所100万円、有床診療所200万円、病院200万円+5万円×病床数を上限として補助が行われています。年度末が近づき受付終了済みの都道府県もありますので、まだ申請していない方は至急都道府県にご確認下さい。
 補助の対象経費は、感染拡大防止対策に要する費用だけでなく、日常診療業務にもともと掛かっている経費も対象になり得ます。
 当初は、感染防止のために新しく掛かった費用だけしか対象にならないというような運用が都道府県によっては行われていましたが、日本医師会が厚生労働省に働き掛けた結果、診療を続けるために必要な費用については、例えば水道光熱費や通信費、既存の診療スペースの家賃や既存の機器のリース料なども、幅広く対象になることが明確になりました。このことは厚生労働省のQ&A(第13版以降)にも明記されています。
 ただし人件費については、感染対策のために増員した職員の人件費は対象になりますが、通常の人件費は対象になりません。
 対象経費についてのこの考え方は、後述する(2)、(3)、(5)②の経費においても同じです。
照会先 厚生労働省医政局 電話お問い合わせ窓口 0120-786-577(平日9:30~18:00)

(2)新型コロナウイルス感染症感染拡大防止・医療提供体制確保支援補助金
令和2年度申請期限2月28日

 令和2年12月15日から令和3年3月31日までに掛かる費用が対象です。1月28日に成立した第三次補正予算で、追加の補助が行われることになりました。以下の①と②、いずれかの補助となります。
①診療・検査医療機関の感染拡大防止等の支援
 都道府県から「診療・検査医療機関」の指定を受けて、いわゆる発熱外来を行っている医療機関が対象で、補助額は上限100万円です。ただし、後述する(3)の補助を受けた医療機関は対象外です。
②医療機関・薬局等の感染拡大防止等の支援
 無床診療所に25万円、有床診療所・病院には25万円+5万円×病床数、保険薬局、指定訪問看護事業者及び助産所に20万円を上限とする補助が行われます。
 ただし、後述(3)の補助を受けた医療機関は、(3)で受けた補助額よりも、この第三次補正予算の補助額の方が大きい場合にのみ、その差額分だけが補助されます。
 ①、②共に対象経費の考え方は前述(1)と同じです。
 申請期限は2月28日となっており、令和2年度中に交付を受けるためには2月28日までに申請して頂く必要があります。しかし、それに間に合わなくても令和3年度の4月以降に補助金が受け取れるようになる予定です。
照会先 厚生労働省医療提供体制支援補助金コールセンター 0120-336-933(平日9:30~18:00)

(3)救急・周産期・小児医療機関への支援
申請期限2月26日

 インフルエンザ流行期に新型コロナ疑い患者を診療する救急・周産期・小児医療機関として都道府県に登録された医療機関が対象です。
 補助上限額は、199床以下の病院では1,000万円で、200床ごとに200万円が加算されます。また、新型コロナの入院受け入れを割り当てられた医療機関には1,000万円の加算があります。補助の対象経費は、令和2年9月15日から令和3年3月31日までに掛かる費用であり、対象経費の考え方は前述(1)と同じです。申請期限は2月26日です。
照会先 厚生労働省医療提供体制支援補助金コールセンター 0120-336-933(平日9:30~18:00)

(4)医療資格者等の労災給付の上乗せを行う医療機関等への補助
申請期限2月26日

 新型コロナへの対応を行う医療機関等が、そこで勤務する医療資格者等が感染した際に労災給付の上乗せ補償を行う民間保険に加入した場合には、保険料の一部が補助されます。補助額は、年間保険料の2分の1(1人当たり1,000円が上限)です。
 なお、「新型コロナウイルス感染症対応医療従事者支援制度(制度運営機関:公益財団法人日本医療機能評価機構)」に加入されている場合には、日本医療機能評価機構が医療機関に代わって申請を行いますので、医療機関から補助金の申請をする必要はありません。申請期限は2月26日です。
照会先 厚生労働省医療提供体制支援補助金コールセンター 0120-336-933(平日9:30~18:00)

(5)更なる病床確保のための新型コロナ患者の入院受入医療機関への緊急支援
申請期限2月28日

 病床が逼迫(ひっぱく)する都道府県において新型コロナの受入病床を割り当てられている医療機関に、重症者病床1床当たり1,500万円、その他の病床、及び協力医療機関の疑い患者病床は1床当たり450万円を上限に補助が行われています。更に、12月25日から2月28日までに新たに割り当てられた確保病床については、緊急事態宣言が発令された都道府県では1床当たり450万円、それ以外の都道府県でも300万円が補助上限額に加算されています(疑い患者病床は対象外)。つまり、最大で1床当たり1,950万円の補助を受けることができます。申請は2月28日までです。
 補助の対象経費は、①新型コロナ患者等の対応を行う医療従事者の人件費、②感染拡大防止対策や診療体制確保等に要する経費となっており、②の経費は、補助上限額の3分の1までとされています。
 ①の人件費については、従前からいる職員の基本給も、その方の処遇改善を行う場合は補助対象とされました。
 ②の経費については、前述(1)と同じように、日常診療業務に必要な費用が幅広く対象となります。
照会先 厚生労働省医療提供体制支援補助金コールセンター 0120-336-933(平日9:30~18:00)

(6)新型コロナ患者等を受け入れるための病床確保の補助(病床確保料)

 新型コロナウイルス感染症患者の受け入れ体制を確保するための確保病床及び休止病床について、病床確保料が補助されています。補助上限額は、「重点医療機関」は1床当たり1日71,000円から436,000円、「協力医療機関」の疑い患者病床は同じく52,000円から301,000円、「その他の医療機関」は16,000円から97,000円(ただし、療養病床の休止病床は一律16,000円)です。
 重点医療機関から退院基準を満たさない患者の転院を受け入れるための病床を確保する際にも、「その他の医療機関」の病床確保料(16,000円~97,000円)を活用することができます。
 なお、院内クラスター発生時の空床や休止病床について、院内感染によって実質的に専用病床になってしまったケースは、都道府県が認めた場合には、都道府県が認めた期間、一般の病院でも重点医療機関とみなして補助対象となることもありますので、該当する医療機関は都道府県にご確認下さい。
照会先 新型コロナ患者受入れ医療機関の支援に関する総合相談ダイアル 0120-024-700(平日9:30~18:00)

(7)医師・看護師等を派遣する医療機関への補助

 新型コロナの入院を受け入れる医療機関やクラスターが発生した施設に医師や看護師等を派遣する場合、「DMAT・DPAT等医療チーム派遣事業」を活用して、派遣元の医療機関が補助を受けることができます。
 補助上限額は、医師1人当たり1時間7,550円、医師以外の医療従事者は1人当たり1時間2,760円、業務調整員1人当たり1時間1,560円です。
 更に、急速な感染拡大を踏まえ、令和2年12月14日以降に重点医療機関に派遣する場合は、補助額が2倍に引き上げられており、医師1人当たり1時間15,100円、医師以外の医療従事者は同じく5,520円、業務調整員は3,120円となっています。なお、この引き上げ額を活用して、派遣される医師・看護師等の処遇に配慮して頂きたい、とされています。
 医師・看護師等の派遣が可能と思われる医療機関におかれましては、都道府県行政を含め地域で協議、検討頂くよう、お願いします。
照会先 新型コロナ患者受入れ医療機関の支援に関する総合相談ダイアル 0120-024-700(平日9:30~18:00)

(8)新型コロナ患者等入院医療機関への外国人患者の受入体制確保の支援

 第三次補正予算で新たに設けられた補助金で、新型コロナ患者等の入院を受け入れる医療機関に対し、外国人患者の入院の受け入れを支援するものです。
 外国人の入院治療をするための整備に必要な費用と、感染拡大防止対策や診療体制の確保等に要する費用(通常の人件費は除く)が、上限1,000万円まで補助されます。
 新型コロナ患者等の入院を受入れる医療機関で、かつ、都道府県が選出する「外国人患者を受け入れる拠点的な医療機関(選出予定を含む。)」に該当する医療機関が対象です。
照会先 新型コロナ患者受入れ医療機関の支援に関する総合相談ダイアル 0120-024-700(平日9:30~18:00)

 上記以外の補助制度も含め、日本医師会または厚生労働省ホームページに最新情報が掲載されています。これらの補助制度はQ&Aや要件緩和等の見直しが頻回に行われますので、適宜、ご確認願います。

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