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令和3年(2021年)2月20日(土) / 日医ニュース

新型コロナウイルス感染症に係る主な診療報酬上の臨時的な取り扱い (令和3年2月10日現在)

 昼夜の別なく懸命に治療を行っている医療機関を支えるため、日本医師会では新型コロナウイルス感染症患者の増加に対応可能な医療提供体制の構築に向け、新型コロナウイルス感染症患者の外来診療及び入院管理について「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」等を踏まえた診療報酬上の特例的な対応について、その都度、国と協議し、以下に示すような手当が実現しました。
 日本医師会では今後も崩壊が進みつつある医療提供体制の立て直しの一助となるよう、更なる支援を引き続き主張して参ります。
 なお、2021年度には薬価改定が実施されます。日本医師会では新型コロナウイルス感染症を踏まえた医療機関等の経営影響の観点から、医療現場全体への影響が最小限になるよう配慮を求めてきましたが、大規模な薬価改定とされたことは誠に遺憾です。しかし、今回、薬価引き下げ財源の一部を活用して、4月1日より、初診・再診:1回当たり5点、入院:入院料 によらず1日当たり10点を加算するなどの特例的な対応が示されました。これは政府が、国民の暮らしを支えている医療機関が街から消滅するという危機が差し迫っている状況にあり、緊急事態であると判断したため、行われるものです。全国の医療現場で奮闘されている医療従事者の方々に力強いエールになればと考えています。

外来診療に係る診療報酬上の臨時的取り扱い

■外来における対応(令和2年4月8日~)

  • 新型コロナウイルス感染症が疑われる患者に、必要な感染予防策を講じた上で実施される外来診療について、院内トリアージ実施料:300点/回を算定する。

■外来における小児診療等に係る評価(令和2年12月15日~)

  • 6歳未満の乳幼児に対して、小児特有の感染予防策(※)を講じた上で外来診療を実施した場合、初再診、診療科にかかわらず患者ごとに100点を算定する。【令和3年10月からは50点(令和3年10月以降の措置は感染状況や地域医療の実態等を踏まえて柔軟に対応)】
  • 初診料、再診料、外来診療料、小児科外来診療料、小児かかりつけ診療料に加えて算定する。
    ※「小児の外来診療におけるコロナウイルス感染症2019(COVID-19)診療指針」を参考に感染予防策を講じた上で、保護者に説明し、同意を得ること

■「診療・検査医療機関」の診療時間に関する取り扱い(令和2年10月30日~)

  • 保険医療機関が「診療・検査医療機関」として、保険医療機関が表示する診療時間を超えて発熱患者等の診療を実施する等、保険医療機関における診療時間の変更を要する場合であっても、「診療・検査医療機関」として指定される以前より表示していた診療時間を、当該保険医療機関における診療時間とみなして差し支えない。
    「診療・検査医療機関」として指定される以前より表示していた診療時間を超えた場合は時間外とみなされ、診療応需体制にあっても時間外加算を算定できる。
  • 「診療・検査医療機関」において、発熱患者等の診療を、休日または深夜に実施する場合に、当該保険医療機関を「救急医療対策の整備事業について」に規定された保険医療機関または地方自治体等の実施する救急医療対策事業の一環として位置付けられている保険医療機関とみなし、休日加算または深夜加算について、各々の要件を満たせば算定できる。
    「診療・検査医療機関」は、休日加算・深夜加算が算定可能な医療機関とみなされる。
  • 保険医療機関が「診療・検査医療機関」として、当該保険医療機関が表示する診療時間以外の時間において発熱患者等の診療等を実施する場合、初診料の加算(注7~9)、再診料の加算(注5~7)、外来診療料の加算(注8、9)については各々の要件を満たせば算定できる。

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入院診療に係る診療報酬上の臨時的取り扱い

■令和2年4月8日~

  •  入院を要する新型コロナウイルス感染症患者に、必要な感染予防策を講じた上で実施される診療を評価し、救急医療管理加算(950点/日、特例的に、14日間まで算定可能)、二類感染症入院診療加算(250点/日)を算定できることとした。

■令和2年4月18日~

  •  重症の新型コロナウイルス感染症患者(※1)について、特定集中治療室管理料等を算定する病棟(※)に入院している場合の評価を2倍に引き上げた。
    ※救命救急入院料、特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料、脳卒中ケアユニット入院医療管理料、小児特定集中治療室管理料、新生児特定集中治療室管理料、総合周産期特定集中治療室管理料、新生児治療回復室入院医療管理料
  •  中等症の新型コロナウイルス感染症患者(※2)について、救急医療管理加算の2倍相当(1,900点)の加算を算定できることとした。
  •  医療従事者の感染リスクを伴う診療を評価し、人員配置に応じ、二類感染症患者入院診療加算に相当する加算を2~4倍算定できることとした。
    ※1 ECMO(対外式心肺補助)や人工呼吸器による管理等、呼吸器を中心とした多臓器不全に対する管理を要する患者
    ※2 酸素療法が必要な患者

■令和2年5月26日~

  •  重症及び中等症の新型コロナウイルス感染症患者について、専用病床の確保などを行った上で受け入れた場合、2倍に引き上げた評価(※)を更に3倍に引き上げた。また、中等症患者のうち、継続的な診療が必要な場合には、救急医療管理加算の3倍相当の加算について、15日目以降も算定できることとした。
    ※例 重症患者:特定集中治療室管理料3(平時)9,697点 → 臨時特例(2倍)19,394点 → 更なる見直し(3倍)29,091点
    中等症患者:救急医療管理加算(平時)950点 → 臨時特例(2倍)1,900点 → 更なる見直し(3倍)2,850点
  •  診療報酬上の重症の新型コロナウイルス感染症患者の対象範囲について、医学的な見地からICU等における管理が必要な患者を、中等症の新型コロナ患者の対象範囲について、入院管理が必要な患者をそれぞれ追加した。
  •  新型コロナウイルス感染症の疑似症として入院措置がなされている期間は、今般の感染症患者に対する特例的な取り扱いの対象となることを明確化した。

■令和2年8月31日~

  •  緊急事態宣言の期間については、外出自粛要請等による患者の受療行動の変化等の理由により、定数超過入院や看護配置等の施設基準を満たすことができなくなる可能性を鑑み、全ての医療機関を「新型コロナウイルス感染症患者等を受け入れた医療機関」に該当するものとみなすこととした。

■令和2年9月15日~

  •   呼吸不全管理を要する中等症以上の新型コロナウイルス感染症入院患者の診療について、3倍相当の救急医療管理加算を更に5倍:4,750点に引き上げた。

■令和2年12月15日~

  •  新型コロナウイルス感染症から回復した後、引き続き入院管理が必要な患者を受け入れた医療機関において、必要な感染予防策を講じた上で入院診療を行った場合の評価(※)を3倍:750点に引き上げた。
    ※これまでの臨時特例 二類感染症患者入院診療加算(1倍)250点 → 今回の見直し(3倍)750点

■令和3年1月8日~

  •  地域包括ケア病棟入院料等の特定入院料を算定する病棟に新型コロナウイルス感染症患者を受け入れた場合、医療法上の病床種別と当該特定入院料が施設基準上求めている看護配置等により算定する入院基本料を判断の上、当該入院基本料を算定できることを明確化した。

■令和3年1月13日

  •  都道府県から受入病床として割り当てられた療養病床は一般病床とみなし、病床確保料の対象とでき、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れた場合、一般病棟入院基本料のうち特別入院科を算定できる旨を明確化した。
    ※検査・治療に係る費用について出来高で算定可能、中等症患者に係る救急医療管理加算の特例算定(3倍)2,850点等が算定可能

■令和3年1月22日~

  •  新型コロナウイルス感染症から回復した後、引き続き入院管理が必要な患者を受け入れた医療機関において、救急医療管理加算(950点/日、最大90日間まで算定可能)を算定できることとした。

 

各医療機関における感染症対策に係る評価 (令和3年4月1日~)

  •  新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、全ての患者の診療に対して感染予防策に係る評価として、初診・再診について1回当たり5点を加算、入院については入院料によらず1日当たり10点を加算できることとした【令和3年9月末まで(令和3年10月以降の措置は感染状況や地域医療の実態等を踏まえて柔軟に対応)】。
    ※「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第4版」等を参考に、
    すべての患者の診療において、状況に応じて必要な個人防護服を着用した上で、感染防止に十分配慮して患者への対応を実施する
    新型コロナウイルス感染症の感染予防策に関する職員研修を行う
    病室や施設等の運用について、感染防止に資するよう、変更等に係る検討を行う

    等の感染予防策を講じる。

☆詳細については後日通知にて周知予定

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