日医ニュース令和3年2月20日号付録でお伝えしたとおり、令和3年4月1日からの各医療機関等における感染症対策に係る評価の詳細は次のとおりです(厚生労働省当局に確認済み)。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、全ての患者及び利用者の診療等については、特に手厚い感染症対策が必要なことから、「特に必要な感染症対策」を講じた上で診療等を実施した場合、令和3年4月診療分から9月診療分まで以下の①~③の取り扱いとなります。
なお、その診療等に当たっては、患者及び利用者またはその家族等に対して、院内感染防止等に留意した対応を行っている旨を十分に説明して下さい。
※この臨時的な取り扱いについては、令和3年9月末までの間行うこととされ、「同年10月以降については、延長しないことを基本の想定としつつ、感染状況や地域医療の実態等を踏まえ、年度前半の措置を単純延長することを含め、必要に応じ、柔軟に対応する」こととされています。 |
①外来診療等及び在宅医療における評価
特に必要な感染予防策を講じた上で診療を行い、医科点数表に掲げる次の点数を算定する場合、「医科外来等感染症対策実施加算」(5点)を更に算定できます。
ただし、下表のうち★を付した項目については、☆を付した初・再診料と併せて算定しない場合にのみ加算します。
初・再診料 |
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☆A000初診料 |
同一日2科目の初診料 |
☆A001再診料(注9に規定する電話等による再診を除く。) |
同一日2科目の再診料 |
☆A002外来診療料 |
医学管理等 |
B001-2小児科外来診療料 |
B001-2-7外来リハビリテーション診療料 |
B001-2-8外来放射線照射診療料 |
B001-2-9地域包括診療料 |
B001-2-10認知症地域包括診療料 |
B001-2-11小児かかりつけ診療料 |
★B006救急救命管理料 |
★B007-2退院後訪問指導料 |
在宅医療 |
C001在宅患者訪問診療料(Ⅰ) |
C001-2在宅患者訪問診療料(Ⅱ) |
★C005在宅患者訪問看護・指導料 |
★C005-1-2同一建物居住者訪問看護・指導料 |
★C005-2在宅患者訪問点滴注射管理指導料 |
★C006在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料 |
★C008在宅患者訪問薬剤管理指導料 |
★C009在宅患者訪問栄養食事指導料 |
C011在宅患者緊急時等カンファレンス料 |
精神科専門療法 |
★I012精神科訪問看護・指導料 |
②入院診療における評価
保険医療機関において、特に必要な感染予防策を講じた上で診療を行い、次に掲げる点数を算定する場合、1日につき「入院感染症対策実施加算」(10点)を更に算定できます。
入院基本料 |
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A100一般病棟入院基本料 |
A101療養病棟入院基本料 |
A102結核病棟入院基本料 |
A103精神病棟入院基本料 |
A104特定機能病院入院基本料 |
A105専門病院入院基本料 |
A106障害者施設等入院基本料 |
A108有床診療所入院基本料 |
A109有床診療所療養病床入院基本料 |
特定入院料 |
A300救命救急入院料 |
A301特定集中治療室管理料 |
A301-2ハイケアユニット入院医療管理料 |
A301-3脳卒中ケアユニット入院医療管理料 |
A301-4小児特定集中治療室管理料 |
A302新生児特定集中治療室管理料 |
A303総合周産期特定集中治療室管理料 |
A303-2新生児治療回復室入院医療管理料 |
A305一類感染症患者入院医療管理料 |
A306特殊疾患入院医療管理料 |
A307小児入院医療管理料 |
A308回復期リハビリテーション病棟入院料 |
A308-3地域包括ケア病棟入院料 |
A309特殊疾患病棟入院料 |
A310緩和ケア病棟入院料 |
A311精神科救急入院料 |
A311-2精神科急性期治療病棟入院料 |
A311-3精神科救急・合併症入院料 |
A311-4児童・思春期精神科入院医療管理料 |
A312精神療養病棟入院料 |
A314認知症治療病棟入院料 |
A317特定一般病棟入院料 |
A318地域移行機能強化病棟入院料 |
短期滞在手術等基本料 |
A400短期滞在手術等基本料 |
③Q&A
問1 | 患者及び利用者の診療等において、「特に必要な感染予防策」とは、どのようなものか。 |
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答 | 『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き』等を参考に、感染防止等に留意した対応を行うこと。 (感染防止等に留意した対応の例) ・状況に応じて、飛沫予防策や接触予防策を適切に行う等、感染防止に十分配慮して患者及び利用者への診療等を実施すること。 ・新型コロナウイルス感染症の感染予防策に関する職員への周知を行うこと。 ・病室や施設等の運用について、感染防止に資するよう、変更等に係る検討を行うこと。 |
問2 | 外来診療において特に必要な感染予防策を講じて診療等を行う保険医療機関等において、「新型コロナウイルスの感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」(令和2年4月10日厚生労働省医政局医事課、医薬・生活衛生局総務課事務連絡)に基づき、電話や情報通信機器を用いた診療または服薬指導を実施した場合、医科外来等感染症対策実施加算を算定することができるか。 |
答 | 算定できない。 |
問3 | 在宅患者訪問看護・指導料、同一建物居住者訪問看護・指導料、精神科訪問看護・指導料及び訪問看護基本療養費、精神科訪問看護基本療養費について、特に必要な感染予防策を講じた上で訪問看護を行う保険医療機関または訪問看護ステーションにおいて、「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その14)」(令和2年4月24日厚生労働省保険局医療課事務連絡)問7または「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その21)」(令和2年6月10日厚生労働省保険局医療課事務連絡)問2に基づき、看護職員が電話等で病状確認や療養指導等を行い、訪問看護管理療養費または訪問看護・指導体制充実加算のみを算定した場合、医科外来等感染症対策実施加算または訪問看護感染症対策実施加算を算定することができるか。 |
答 | 算定できない。 なお、訪問看護ステーションにおいては、当該電話等による場合について、訪問看護感染症対策実施加算の算定に係る30回の訪問看護の回数に算入しないこと。 |
問4 | 入院患者の外泊期間中はどのような取り扱いとなるか。 |
答 | 外泊期間中は、入院感染症対策実施加算は算定できない。 |
問5 | DPC対象病院の病棟においては、どのような取り扱いとなるか。 |
答 | 厚生労働大臣が指定する病院の病棟における療養に要する費用の額の算定方法(平成20年厚生労働省告示第93号)により算定する患者についても、入院感染症対策実施加算は算定できる。 |
問6 | 外来における小児診療等に係る評価(令和2年12月15日~)〔日医ニュース令和3年2月20日号(付録)参照〕と、今回の医科外来等感染症対策実施加算・入院感染症対策実施加算について、それぞれの算定要件を満たした場合、併算定できるか。 |
答 | 併算定できる。 |
問7 | ①短期滞在手術等基本料1については、医科外来等感染症対策実施加算の「5点」ではなく、入院感染症対策実施加算の「10点」を算定するのか。 ②短期滞在手術等基本料については、実際に入院した日数に応じて加算するのか。 |
答 | ①そのとおり。 ②そのとおり。例えば、短期滞在手術等基本料3を算定した場合で、入院から4日目に退院した場合は、40点を加算することとなる。 |