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令和3年(2021年)6月10日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース

総論(新型コロナワクチン接種について)

 中川俊男会長は6月9日の定例記者会見で、この日、日本医師会女性医師バンクに「新型コロナワクチン接種人材確保相談窓口」を立ち上げたことを報告するとともに、ワクチン接種体制の好事例を紹介し、更にワクチン接種を推進していく意向を示した。

 中川会長は、まず、日本看護協会の協力を得て開設した、日本医師会女性医師バンクの「新型コロナワクチン接種人材確保相談窓口」を通じて、自治体や職域接種を行う民間企業等と、医師・看護師のマッチングを進めていく方針であることを説明。女性医師バンクの登録者2,800名のうち850名からワクチン接種の協力の申し出があり、日看協の職業紹介事業「eナースセンター」の登録者のうち約4,200名がワクチン接種の研修を修了したとし、「この窓口では、職域接種の体制づくりのための支援もしていくので、ぜひご利用頂きたい」と呼び掛けた。

 その上で、ワクチン接種の状況について、「日本医師会は、これまで、地域の実情に応じて、かかりつけ医による個別接種と集団接種を適切に組み合わせることを提案してきたが、個別接種にも多くの予約申し込みがあり、予約がいっぱいだという指摘もある」と危惧。個別の医療機関では、通常の診療を行いながらワクチン接種にも対応するため、一日に接種できるワクチンの枠には限りがあるとして、「重い基礎疾患のある方や、慢性疾患などで毎月の通院治療が必要な方など、特に健康に不安のある方から、接種して頂きたい。多くの方が一刻も早くワクチンを打ちたいと思っておられるが、健康に不安がない方や事情が許す方は、順番をお待ち頂きたい」と理解を求めた。

 また、ワクチンの接種体制に関して、全国の好事例から、1.三重県志摩医師会、2.愛媛県伊予医師会―における取り組みを、以下のとおり紹介した。

 1.志摩市では医療機関が少ないため集団接種のみを実施しており、あらかじめはがきで希望日と希望会場を聞き、接種日と会場を通知。アナフィラキシー歴や服薬の状態に応じて色の異なるリストバンドを巻き、問診・接種をスムーズに行っている。余剰ワクチンは在宅患者、高齢者施設入所者へ調査を行った上で割り振り、現在までに余剰ワクチンの廃棄はゼロ、6月27日には高齢者の接種を終了する予定である。

 2.伊予医師会では、予診ブースと接種ブースを1つにしたため、高齢者が移動する必要がなく、医療従事者が移動することで、時間のロスもなく、少ない医療従事者で効率よく接種に取り組めている。

 この他、保管や希釈などで品質が保たれていない可能性があるワクチンを廃棄したことが「ミス」として報道されたため、接種の担い手が高いストレスにさらされているとして、「ワクチンの取り扱いについては、万全の注意が払われているが、細心の注意を払いながらも起こり得る事象がある。配慮ある報道をお願いしたい」と強調。日本医師会としても、このような事例を共有し、再発防止に努めるとし、「これからも、希望されるすべての方に一日でも早くワクチン接種が完了できるように、邁進していく」との姿勢を示した。

◆会見動画はこちらから(公益社団法人 日本医師会公式YouTubeチャンネル)

※「新型コロナワクチン接種人材確保相談窓口」に関するお問い合わせは、女性医師支援センターまで。
女性医師支援センター TEL:03-3942-6512(代)
新型コロナワクチン接種人材確保相談窓口

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