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令和3年(2021年)6月20日(日) / 日医ニュース

6月23日

 沖縄県のカレンダーでは、6月23日は「慰霊の日」という県が定めた休日だ。第二次世界大戦で唯一地上戦が行われた沖縄で、組織的戦闘が終了した日を記念して定められた。
 この日、公立学校等は休校となり、県と市町村の庁舎も閉庁する。例年は、沖縄全戦没者追悼式が摩文仁(まぶに)の平和祈念公園で大規模に開催されるが、昨年来コロナ禍で縮小開催となっている。
 今年は、それに続いて「オリンピックデー」とあった。1894年6月23日に、ピエール・ド・クーベルタンの提唱で、近代オリンピックの復興とIOC創設が決定されたことを記念する日で、オリンピックの基本精神の普及・啓発のため、さまざまな催しを通してオリンピックへの機運を高めていく日であるようだ。東京では2019年にランニングイベントやコンサートが行われたという。こちらもコロナ禍で、昨年来動きは無い。
 共に平和を祈念する大切なイベントである。沖縄全戦没者慰霊祭で毎年披露される高校生の「平和の詩」の朗読には、自然と涙がこぼれる。
 昨年は、戦後75年の節目であり、戦争体験が戦争を知らない世代に確かに受け継がれ、風化していないことが確認でき、感慨深かった。
 オリンピックデーコンサートでは、選手のパフォーマンス等がオーケストラの演奏とともに披露され、ドラマチックな感激を与えたという。
 新型コロナウイルス感染症の影響は選手達にも等しく及ぶ。この現実が更なる物語を紡いでオリンピック大会本番へ向かうことは容易に想像できる。
 6月23日。平和への思いを共有したい。

(和)

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