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令和3年(2021年)12月17日(金) / 「日医君」だより / プレスリリース

令和4年度の予算編成について(総論)

 中川俊男会長は12月15日の定例記者会見で、大詰めを迎えている令和4年度予算編成に関連して、日本医師会の基本姿勢を説明した。

 冒頭、同会長は12月8日の中医協において、医療経済実態調査結果に対する診療側としての見解内で示したとおり、「新型コロナウイルス感染症禍で地域の医療提供体制の維持は極めて厳しい状況であり、医療現場は著しく疲弊している」と指摘した上で、このような状況下において、「診療報酬本体のマイナス改定はあり得ない」ことを強調。「絶対にプラス改定にしなければ全国の医療が壊れてしまう」と危機感をあらわにした。

 更に、12月7日に自民党議員連盟の「国民医療を守る議員の会」が開かれ、自民党所属の国会議員372名の半数を超える国会議員190名、代理出席44名の計234名の出席があったことを踏まえ、医療機関の窮状について、「重く受け止めていただいたものと確信している」と述べた。

 「国民医療を守る議員の会」は、診療報酬改定においては、「不妊治療の保険適用や経済対策に盛り込まれた看護職員の賃上げに要する費用とは別に、診療報酬の大幅なプラス改定が不可欠である」旨の提言を取りまとめ、岸田総理らに提出された。

 また、12月8日に自民党の社会保障制度調査会からも、診療報酬に関する提言が後藤茂之厚生労働大臣に提出された他、12月14日の社会保障制度調査会医療委員会においても、多くの議員から「絶対に本体プラス改定とすべき」との発言があったことを紹介。「まさに時宜を得た発言であり、大変心強い」とするとともに、岸田総理が12月13日の衆議院予算委員会で「今は新型コロナの危機のさなかであり、必要な財政出動は躊躇なく行わなければならない」と述べたことにも触れ、危機を乗り越えるためにも、医療に対して、しっかりと財政出動すべきであるとした。

 また、同会長は、岸田総理が所信表明演説において、看護師等の処遇改善を掲げており、日本医師会としても公的価格評価検討委員会に意見書を提出し、チーム医療への評価の必要性を訴えたことにも言及し、その実現のためにも看護職以外の処遇改善も含めた大幅なプラス改定が必要だと強調した。

 その他、診療報酬改定におけるかかりつけ医機能については、財務省や財政制度等審議会が求める制度化は行うべきではないと主張し、「医療費抑制の手段とするのではなく、機能に見合った評価に進化させていくべき」と一蹴した。

 最後に中川会長は、全国の医療従事者と医療機関が、感染リスクや風評被害に耐えながら、新型コロナワクチン接種の推進にも邁進し、全力で新型コロナウイルス感染症と闘ってきたとした上で、今後も第6波や新たな新興感染症にも備えを固める覚悟を示し、「医療従事者の心を折らないで欲しい」と訴えた。その上で、医療従事者と医療機関を支えるため、また、ポストコロナの医療提供体制に道筋を付けるため、「令和4年度診療報酬改定は躊躇なく本体プラス改定とすべきである」と改めて訴え、理解を求めた。

◆会見動画はこちらから(公益社団法人 日本医師会公式YouTubeチャンネル)

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