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令和4年(2022年)1月5日(水) / 南から北から / 日医ニュース

犬の車酔い

 ちょうど4年前、妻が急に犬が欲しいと言い出しました。わが家はその2年前にパピヨン犬を亡くし、その時の悲しみを思うと、私はなかなか乗り気になれませんでした。しかし子どもが高校生になり、今後寂しくなることが予想され、予防線を張りたいという気持ちがよく分かります。
 早速、以前お世話になっていたペットショップを訪ねてみました。まずは妻が先に子犬を見に行き、時間を置いて私が見にいきました。すると、連れて帰ってと言いたげに潤んだ瞳で見つめてくる子がいます。待ち合わせをしていた妻と話すと、やはり同じ犬を非常に気に入ったとのこと。急いでペットショップに戻り、即契約。後日、迎えにいくことにしました。ヨークシャーテリアの子犬で3~4カ月でした。
 さて、子犬を家に連れ帰る日のことです。車に乗せて2分で急に嘔吐をして、その後まもなく排便もしてしまいました。何かの病気なのか、それとも車酔いか。家に着いてしばらくすると元気になっています。車酔いで吐くことがあるが、犬は排便までするのか。そのうち良くなるだろうと思っていました。しかし、月に1回、トリミングのために車で1時間掛けてペットショップに連れていっていますが、毎回同じようになるのです。酔い止め薬を内服させてみたけれど効きません。
 犬の車酔いを改善するにはどうすれば良いのか。まず、車に乗ることを好きになるようにと、車で5分の公園に連れて行ったりしてみましたが、実は散歩も嫌いで毎日の散歩も半分引きずられて行っているので、公園に行っても喜びません。家の中で寝ているのが一番好きなのです。
 ある日、カレンダーを留めていた画びょうが床に落ち、素早く口の中に入れてしまったのです。一部始終を見た私と妻は、画びょうを取り上げようと口の中を確認、やはり飲み込んでしまったようです。慌てて車に乗せ2~3分も行くと案の定、嘔吐あり、画びょうも吐き出していました。車酔いのおかげで事無きを得たということになります。
 最近は車酔いの症状は軽減していますが、ドライブを楽しむことは無理なようです。ちょっと肥満で7・8キロ、ミニチュアシュナウザーに間違えられる中型犬並みになりました。お互いあと少し痩せて、「あと10年は頑張ろうや」と思う今日この頃です。

長崎県 長崎市医師会報 第644号より

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