新年会で近況報告をする機会がありました。診療においては別段変わったことが無かったので、自宅において困っていることを報告しました。「家にイノシシが出てきて、車が傷付けられるので、寝ずの番をしていて寝不足です」と。
一瞬、おいしいお料理を楽しんでいた先生方の手が止まり、注目を浴びました。「イノシシ? 松山市内にイノシシが出る?」「え? 先生どこに住んでるの?」
私は、クリニックから車で5分のれっきとした松山市内に住んでいます。しかしながら家のすぐ裏は山です。敷地内には駐車スペースが無いので、一段下の畑の横の駐車場に青空駐車をしておりました。駐車場内にガレージは置いてありますが、その中には農作業用具が収まっております。
ある日、出勤しようと車の所に行くと、家と畑の間の畦道(あぜみち)と水路が奇麗に掘り起こされていました。聞いてはいないけど水利組合が工事でもするのかと思い、その日はそのまま出勤。翌朝、工事は畑の中まで及び、端っこの畝(うね)が無くなっていました。「人様の畑の中まで勝手に」と思いましたが、見回しても誰もいないのでその日も放置。その翌日、2列目の畝まで破壊されており、えっ?と思って見ていたら、隣の畑のおじさんがやって来て、「ひどいことイノシシにやられたなあ」と。「これ、イノシシですか!」
畑は大したものは植えていないのでどうでも良かったのですが、ある朝、車にドロが付いているのを発見。泥浴びをした後、体を何かにこすりつける習性があるそうですが、何と車に。泥をそっと落とすと、小石でこすった傷がありました。その日から、車は畦道と反対側に停めたり、一晩中外灯をつけるなど対策をしていました。しかし、とうとう恐れていた日が。姉に「ここには停めたら駄目」と言ったのに、「大丈夫」と言うことを聞かずに一晩停めていたら、翌朝、イノシシは見事に車を1周して泥をこすりつけていました。まあまあ深い傷が付いており、修理に出したら50万。ついでに私の車も塗装に出したら18万。保険でカバーできましたが、結構な被害額です。
その後、親戚総出で畑の周りに柵をしたら、次の日から入ってこなくなりました。さっさと柵をすれば良かった......。素人が作った柵なので、イノシシが本気で体当たりしたら壊れます。今年の冬の様子を見ないとイノシシに勝ったかどうかは分かりません。
と言う訳で、新しい素敵な車が買えないので、今はスーパー(に行く用)カーです。医師会の駐車場でベンツやBMWの隣に停めるのは気が引けますが、こうした事情でしばらくはROOMYが私の足です。