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令和4年(2022年)5月5日(木) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

ウクライナへの医療支援について

日本医師会定例記者会見 4月6日

ウクライナへの医療支援について

ウクライナへの医療支援について

 中川俊男会長はウクライナへの医療支援のための寄附金を用いて、医薬品・医療物資がウクライナのリビウに届けられたことを報告するとともに、日本へ避難してきたウクライナの方のために医療費負担などの支援が必要であることを訴えた。
 中川会長は、冒頭、3月9日にウクライナへの医療支援として1億円を世界医師会に寄附した後、会員や一般の方からの寄附金を基に更に1億円を4月1日に送金したことを報告。「改めて日本医師会がウクライナの皆さんと共にあることをお伝えしたい」と述べるとともに本寄附金は、世界医師会によるタスクフォース・ウクライナの原動力になったと強調した。
 ポーランド、ハンガリーなどの周辺各国の医師会に加え、アジアの医師会で唯一日本医師会が参加しているタスクフォースの活動については、第一弾として、イスラエルで調達された医薬品・医療物資が、ワルシャワへの輸送の後、ポーランド医師会の支援を受けてウクライナの国境へ搬送され、ウクライナ医師会理事が受け取った後、ウクライナ医師会によって国内へ配送されたことを概説し、写真から野戦病院等の様子を示した。
 また、世界医師会では、日本医師会による2回目の1億円の送金を受け、4月4日、ウクライナ医療支援の運営委員会を開催し、議長のレオニード・エイデルマン教授(世界医師会元会長/イスラエル医師会元会長)による報告が行われたことを説明。その中では、(1)全ての物資がウクライナのリビウに搬送され、ウクライナ全土へ配送されたことが確認された、(2)現地で人道支援活動を展開し、被災現場で救急治療を行っているNGOからの医薬品、医療物資の支援要請があった、(3)ウクライナ医師会からの更なる要望に応えるべく、同医師会オレグ・ムシル会長と連絡を取り合っている、(4)ウクライナのメディカルセンターからイスラエルのウクライナ大使館に送付された必要医薬品、医療物資リストを基に、具体的なニーズの確認に努めている―ことなどが報告されたことを明らかにした。
 その他、日本に避難してきた方への支援についても言及。90日間の短期滞在ビザでは自由診療扱いになることや、本人の希望により公的保険が適用できる在留資格へ変更されたとしても、手続きに一定程度の時間が掛かり、変更後は保険料の患者一部負担が発生することに懸念を示した。
 その上で中川会長は、「大切なのは、避難者の方々が安心して日本での生活を送れることであり、ウクライナに平和が訪れた時には、良好な健康状態で無事に帰国して頂きたい」と強調。そのためにも、政府に対して、親族ルートでの避難者への、(1)公的保険が適用されるまでの医療費負担や公的保険適用後の自己負担等の支援、(2)ビザの切り替え等の手続きの迅速かつ柔軟な対応、(3)国や自治体による医療支援体制や法的手続きなどの丁寧な説明―を要望するとし、避難者を受け入れた自治体と、都道府県医師会、郡市区医師会との連携への配慮も求めた。

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