第1回オンライン資格確認推進協議会が5月11日、WEB会議システムを用いて開催された。
今回の協議会は、2021年3月にオンライン資格確認のプレ運用が開始されたものの、実際に運用を開始している施設が少ないことを受け、日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会、厚生労働省等の関係者間で情報共有を行うとともに、課題解決に向けて建設的な取り組みを行っていくために設置・開催されたものである。
長島公之常任理事は冒頭のあいさつの中で、「日医IT化宣言2016」において、日本医師会は医療機関が安心、安全、安価に活用できる医療専用ネットワークの構築を目指すとしたことに言及。「オンライン資格確認システムは、資格確認ができることも有用な機能だが、それ以上に、全国の医療機関が安全につながる医療専用ネットワークの基盤になることによって、さまざまな医療情報が関係者の間で共有できるようになることが有用である」と述べるとともに、患者への安心安全で良質な医療の提供につながることが最も重要な機能と強調。その観点から、日本医師会としても、オンライン資格確認の推進に協力していきたいとの意向を示した。
続いて、水谷忠由厚労省保険局医療介護連携政策課長より、オンライン資格確認の進捗状況について説明が行われた。
その中では、(1)オンライン資格確認導入施設の割合、(2)オンライン資格確認件数、(3)医療機関・薬局等による特定健診情報・薬剤情報の閲覧件数―等の報告が行われ、5月1日時点の運用開始施設は約18%であるものの、保険証、一括紹介による資格確認件数は積み上がっているとされた他、システム事業者向けに開催したオンライン資格確認導入促進会議について等の説明もなされた。
長島常任理事からは、日本医師会の取り組みとして、(1)日医ニュースによる情報発信、(2)システム導入に関する相談事例の収集、(3)都道府県医師会からの意見収集―等を実施していることを紹介。(2)では、「導入費用が補助金額を上回る」「既存システムとの互換性がない」といった意見が、また、(3)では、「導入に要するイニシャルコストや導入後のランニングコスト」の他、「セキュリティに関する不安」「機材の調達遅延」「マイナンバーカード普及数がまだまだ少ない」等の意見が寄せられたことをそれぞれ報告した。
その後の質疑応答の中では、長島常任理事が厚労省に対し、オンライン資格確認を活用することで、保険資格の過誤に起因する受診をどの程度防止でき、それによりどの程度の医療費削減が見込まれるのか、具体的な数字を例示することを求めた。
また、ベンダーによる導入価格や操作性の違い、電子カルテやレセプトアプリにも詳しいベンダーの不在といった問題については、厚労省による対応が求められた他、オンライン資格確認システムをまだ導入していない医療機関等に対する働き掛けが今後重要になる等の指摘もなされた。
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