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令和4年(2022年)6月20日(月) / 日医ニュース

世界医師会「医の国際倫理綱領」アジア地域会議に出席

世界医師会「医の国際倫理綱領」アジア地域会議に出席

世界医師会「医の国際倫理綱領」アジア地域会議に出席

 世界医師会(WMA)「医の国際倫理綱領(ICoME)」アジア地域会議が6月7日から8日にかけて、バンコク(タイ)で開催され、日本医師会から橋本省常任理事が出席した。全体の参加者は15カ国(日本、バングラデシュ、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イスラエル、韓国、マレーシア、モロッコ、ミャンマー、ネパール、ナイジェリア、シンガポール、タイ)から45名であった。
 ICoMEは1949年に採択され、1968年、1983年、2006年に改訂が行われており、今回の改訂案では、医師の「一般原則」「患者に対する義務」「他の医師及び医療従事者に対する義務」「社会に対する義務」「医療専門職組織のメンバーとしての義務」が述べられている。
 WMAでは、本会を含む作業部会を設置して改訂に向けた議論を重ね、本年4月のパリ理事会に本改訂案を提出。現在、世界医師会の各地域における会議において検討が続けられている。
 アジア地域会議は、タイ医師会ウォンチャット・サブハチャトゥラス元会長(WMA元会長)の進行で進められ、冒頭、WMAオトマー・クロイバー事務総長、タイ医師会スクミ・カンチャナピマイ会長が歓迎あいさつを行った。
 議事では、改訂作業部会ラミン・パルサパルシ議長(ドイツ医師会)が「ICoMEはWMAの多数の政策文書の中でも、ジュネーブ宣言、ヘルシンキ宣言と共に医の倫理に関する重要な文書であり、各国で医療の状況や法律は異なるものの、普遍的な医師の倫理を包括するものとして議論をまとめていきたい」と改訂の意義を述べた。
 続いて、橋本常任理事が改訂案に対する日本医師会のコメントとして、日本医師会は改訂案を全面的に支持し、課題である「良心的拒否」に関する議論を経た改訂版が10月のベルリン総会で採択されることを希望すると述べた。また、日本医師会の「医の倫理綱領」と「医師の職業倫理指針」は、ICoME、アメリカ医師会"Code of Medical Ethics"、イギリス医師会"Medical Ethics Today"等を参照していること、本年3月には日本医師会の「医の倫理綱領」が改訂されたことを紹介した。
 その後、2日にわたりタイ、インドネシア、インド、バングラデシュ、韓国、イスラエルの各国医師会による改訂案に対するプレゼンを基に議論が行われ、橋本常任理事が最初のパートの座長を務めた。
 今後は、7月の「良心的拒否に関する専門家会議」(インドネシア)、8月のアフリカ地域会議(ナイジェリア)、最終専門家会議(アメリカ)における議論を反映した再改訂案を作成し、コメントを求めるために各国医師会に回付された後に、本年10月のベルリン総会で採択に向け、議論される予定となっている。

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