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令和4年(2022年)8月20日(土) / 日医ニュース

物価高騰への支援の拡充に関する要望を後藤厚労大臣に提出

物価高騰への支援の拡充に関する要望を後藤厚労大臣に提出

物価高騰への支援の拡充に関する要望を後藤厚労大臣に提出

 松本吉郎会長は7月29日、猪口雄二副会長、釜萢敏常任理事と共に厚生労働省を訪れ、後藤茂之厚労大臣に「医療機関・介護事業所等における物価高騰への支援の拡充に関する要望」を手交した。
 今般の水道光熱費、食材料費等の物価高騰は、医療機関や介護事業所等の経営にも極めて大きな影響を及ぼしている。これに対して、厚労省では事務連絡を発出し、新型コロナの影響を受けている医療機関において、食事の提供に影響する場合や水道光熱費の高騰が生じている場合等においても、地方公共団体の判断により、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用を検討することも考えられる旨を示しているが、現在の臨時交付金には、他産業で既に使途が定められたものが多いため、医療・介護に関する事業への適用には至っていない状況が見られていた。
 今回の要望はそれらの状況を踏まえて行われたものであり、要望書は日本医師会を始め、日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会、全国老人保健施設協会、全国老人福祉施設協議会、日本認知症グループホーム協会、日本介護支援専門員協会、日本福祉用具供給協会の各会長等の連名により取りまとめられたものとなっている。
 その中では、医療機関・介護事業所等は国が定める公定価格により経営するものであり、患者・利用者等の経済状況を考慮すると、物価高騰の影響を価格に転嫁することはできず、もはや経営努力のみでは対応することが困難な状況にあると指摘。その上で、引き続きコロナ禍においても、患者・利用者等に安心・安全で質の高いサービスを提供できるよう、(1)医療機関・介護事業所等に対する、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金による支援の確実な実施、(2)新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の積み増し、この支援にかかる財源の確保―の2点を求めている。
 当日の会談では、後藤厚労大臣が新型コロナの新規感染者の急激な増加に対する協力に感謝の意を表明。松本会長は、土日に発熱外来を行う医療機関も徐々に増えてきていることを説明し、引き続き、医師会が一丸となって対応していく意向を示した。
 今回の要望に関しては、猪口副会長が東京都病院協会の調査結果を基に、東京都の全病床に換算すると、電気代とガス代の年間負担の増加額の合算が約176億7100万円になること、四病協の調査(暫定版)では、5月の電気料金は対前年比で131%に増加していることなど、厳しい経営状況を説明。これに対して、後藤厚労大臣は一定の理解を示し、「政府全体で考えるべき問題であり、今後、その対応策を検討していきたい」と応じた。
 その他、会談では抗原定性検査キットを有症状者に無料配布することにも話が及び、松本会長は医師会として協力する意向を改めて示した他、配布方法については、地域の実情に応じた仕組みを早期に構築していく必要があることで両者の考えが一致した。

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