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令和4年(2022年)10月20日(木) / 日医ニュース

年内のオミクロン株対応2価ワクチンの接種完了に向けたご協力のお願い

オミクロン株対応2価ワクチンの接種について

 令和3年、4年いずれも年末年始に新型コロナウイルス感染症が流行したことを踏まえ、重症化リスクの高い高齢者等はもとより、若い方にもオミクロン株対応2価ワクチン(新型コロナの従来株とオミクロン株に対応したワクチン)による接種を、年末までにして頂きたいと考えております。そのため、厚生労働省では、ワクチンの配送等も含めた接種体制を整備しています。
 医師会の先生方には、新型コロナワクチンの接種に日々ご協力を頂いており大変感謝しております。先生方の患者さんで、オミクロン株対応2価ワクチンを接種されていない方がいらっしゃいましたら、本ワクチンの接種についてもご案内頂きますようお願い申し上げます。
 オミクロン株対応2価ワクチンの接種は、初回接種(1・2回目接種)を完了した12歳以上の全ての方が対象で、それまでに接種したワクチンの種類・回数に関係なく1人1回接種します。

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オミクロン株対応2価ワクチンの種類と特徴

 2価ワクチンには、従来株の成分に加え、オミクロン株の成分が含まれています。含まれているオミクロン株の成分に2つの種類(BA.1とBA.4-5)があるため、2種類のワクチンがあります(BA.1対応型とBA.4-5対応型のオミクロン株対応ワクチン)。
 BA.1、BA.4-5は、いずれもオミクロン株の種類(亜系統)で、オミクロン株と従来株の抗原性の差に比べ、BA.1とBA.4-5の抗原性の差は小さいことが知られています。そのため、BA.1対応型であっても、BA.4-5対応型であっても、現在流行の中心であるオミクロン株に対しては、1価の従来型ワクチンを上回る効果が期待されています。また、従来株とオミクロン株の2種類の成分があることにより、誘導される免疫も、より多様な新型コロナウイルスに反応すると考えられます。
 ※抗原性とは、免疫を刺激する性質のことで、「抗原性の差が小さい」とは、「免疫を刺激する性質に違いがない」ことを意味します。

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接種間隔の短縮について

 オミクロン株対応2価ワクチンの接種間隔は現在5カ月ですが、薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会において、接種間隔を3カ月に短縮することが承認されました。10月20日の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会において了承された場合、同月21日から接種間隔が短縮されます。
 その場合、11月から高齢者・基礎疾患のある人を中心に接種対象者が大幅に増えることとなります。その際には、接種の実施、かかりつけの患者さんへのご案内等、先生方のお力添えを頂きますよう重ねてお願いいたします。

オミクロン株対応2価ワクチンの安全性について

 ファイザー社及びモデルナ社の2価ワクチンの薬事承認において、どちらのワクチンも従来型ワクチンとおおむね同様の症状が見られました。感染症予防の効果と生じる可能性のある副反応について、理解した上で接種を受けて頂けるよう患者さん等へのご説明をお願いいたします。
 接種後7日間に現れた症状として、ファイザー社のワクチンでは、50%以上の頻度で注射部位疼痛、10-50%の頻度で疲労、筋肉痛、頭痛、悪寒、関節痛、1-10%の頻度で下痢、発赤(ほっせき)、腫脹(しゅちょう)、発熱、嘔吐が見られました。モデルナ社のワクチンでは、50%以上の頻度で注射部位疼痛、疲労、10-50%の頻度で頭痛、筋肉痛、関節痛、リンパ節症、悪寒、悪心・嘔吐、1-10%の頻度で紅斑(こうはん)・発赤、腫脹・硬結、発熱が見られました。

初回接種(1・2回目接種)がまだの方について

 初回接種(1・2回目接種)に使用している従来型ワクチンは、年内で国からの供給を終了する予定です。初回接種またはオミクロン株対応2価ワクチンでの追加接種をご希望の患者さんがいらっしゃいましたら、なるべく早めに受けて頂くようご案内をお願いします。
 オミクロン株対応2価ワクチンは、追加接種として臨床試験を実施し、有効性・安全性が確認されているため、現時点においては、初回接種には使用できません。初回接種は、従来型ワクチンで行うこととなっております。

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