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令和5年(2023年)1月20日(金) / 日医ニュース

概要や留意点等を説明し、早期申請への協力を求める

概要や留意点等を説明し、早期申請への協力を求める

概要や留意点等を説明し、早期申請への協力を求める

 「日本医師会医療機関勤務環境評価センター 医療機関の評価申請に関する説明会」が昨年12月15日にオンラインで開催された。
 本説明会は、令和6年4月から医師の働き方改革に関する新制度が始まることを踏まえ、都道府県・郡市区医師会、病院団体、評価の申請を検討している医療機関に対して、日本医師会医療機関勤務環境評価センター(以下、評価センター)の概要並びに評価申請に当たっての留意点等について説明することを目的として行われたもので、700名以上が視聴した。
 説明会は城守国斗常任理事の司会で開会。冒頭あいさつした松本吉郎会長は、「新制度が始まるまで残すところ1年4カ月となったが、日本医師会では評価業務を通じて、労働時間の短縮を行う医療機関をしっかりと支援することで医師の勤務環境の改善を図っていきたいと考えている」と述べるとともに、早期の申請等に関する協力を求めた。

令和5年夏前までの申請を―城守常任理事

 引き続き、城守常任理事が評価申請に当たっての留意点について説明を行った。
 同常任理事は、まず、評価センターの概要について、(1)事業運営委員会、評価委員会、評価等業務諮問委員会という三つの委員会が設置されている、(2)評価委員会の下には、サーベイヤーの審査結果の適切性を再確認するとともに、サーベイヤーや対象医療機関からの審査に係る相談対応を行う審査部会を設置している―ことなどを解説した。
 評価受審申請については、申請に当たって、①基本情報シート②自己評価シート(根拠資料の添付が必要)③令和6年度以降の医師労働時間短縮計画案―が必要となるとした上で、評価センターの評価受審申し込みから評価結果通知までの流れを概説。申し込みに当たっての留意点としては、(1)自己評価シートに添付する資料には、該当箇所が分かるようコメントの記載が必要となる、(2)評価センターへの申し込み後、基本情報・自己評価シート作成依頼メールを評価センターから送ることになるが、メール受領後、30日以内に評価システムへの入力を完了する必要がある(新規の場合は76項目)、(3)88ある評価項目のうち、必須項目に関しては全てが達成されていることを確認の上、申し込む―ことなどを挙げて注意を促した。
 また、審査料に関しては、33万円(税込)であるとし、ある医療機関がB水準の審査を受けた後、C―1水準の審査を受けたとしても、その金額に変わりはないとした。
 評価申請の具体的な準備に当たっては、医療勤務環境改善支援センターの労務管理アドバイザー(社会保険労務士)に相談するよう求めるとともに、「評価センターで作成した評価のポイントや確認資料例を記載した解説集(評価センターのホームページに掲載)などの活用をお願いしたい」と述べた。
 その上で、同常任理事は、「評価が滞ることなく実施できたとしても、医療機関及び都道府県に結果を通知するまでに4カ月は掛かることになる。そのため、遅くとも令和5年の夏前までには申請をお願いしたい」と述べ、協力を求めた。

医療機関への支援等について説明―厚労省

 医師の働き方改革の施行に向けた医療機関への取り組み支援等については、まず、坪井宏徳厚生労働省医政局医事課医師・看護師等働き方改革推進官/労働基準局労働条件政策課医療労働企画官が医療機関に取り組んでもらいたいこと並びにその支援について解説した。
 新制度に向けて評価申請を考えている医療機関が最初に取り組むべきことについては、「兼業・副業先の労働時間も含め、自院の労働時間を把握する」「兼業・副業先の宿日直許可の有無も含め、自院の宿日直許可の有無を確認」「自己研鑽(さん)の取り扱いの明確化、ルール化」を挙げ、早期の準備を要請。
 医療機関の支援に関しては、医療勤務環境改善支援センターを取り上げ、「センターの目的は医療機関を取り締まることではなく、支えることだ」として、その活用を求めた。
 その他、宿日直許可申請を円滑に行うための支援については、医療勤務環境改善支援センターの活用を求めるとともに、厚労省内にも「宿日直許可申請に関する相談窓口」を設置したことを報告。「医療機関の気持ちに寄り添った対応をしてもらっているとの声を頂いており、困ったことがあれば、ぜひ、相談して欲しい」と述べた。
 都道府県への指定申請に関しては、藤川葵厚労省医政局医事課医師等医療従事者働き方改革推進室長補佐が申請の流れや必要な書類等について概説した。
 指定申請に当たっては、「都道府県によって締切日が異なることに注意して欲しい」と述べるとともに、事務作業負担を減らすため、G―MISを使って申請ができるシステムを開発し、1月から稼働することを報告(一部取り扱いのない都道府県有)。医師労働時短計画案を作成するに当たっては、各世代の医師などが参加した意見交換会を開催することを提唱した。
 令和6年4月以降医療機関の管理者に義務付けられる長時間労働医師への面接指導については、オンラインで行っている面接指導実施医師養成講習会の活用の他、令和5年度以降にはオンライン講習会受講修了者のうち、希望者を対象としてロールプレイ研修を開催する予定であることを明らかにして、参加を呼び掛けた。
 集中的技能向上水準C―2水準に関しては、対象者の概要を説明するとともに、「医療機関にはC―2水準の医師がいる、あるいは今後出てくる可能性がある場合には審査を受けて欲しい」とした。
 その他、藤川室長補佐は厚労省ホームページ「いきサポ」、厚労省が無料で開催している「勤務環境改善好事例セミナー」(医療現場の勤務環境改善に向けた取り組みについて、具体的な手法等を伝える厚労省主催の研修会)や「トップマネジメント研修」の内容を紹介し、その活用・参加を求めた。
 なお、今回の説明会の動画は、日本医師会並びに評価センターのホームページに掲載しているので、ぜひ、ご視聴願いたい。

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