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令和5年(2023年)1月20日(金) / 日医ニュース

オンライン資格確認導入の原則義務付けへの経過措置などに関する答申まとまる

オンライン資格確認導入の原則義務付けへの経過措置などに関する答申まとまる

オンライン資格確認導入の原則義務付けへの経過措置などに関する答申まとまる

 中医協総会が昨年12月23日、WEB会議で開催され、厚生労働大臣からの諮問「医療DXの基盤となるオンライン資格確認の導入の原則義務付けに係る経過措置、医療情報・システム基盤整備体制充実加算の取扱い及び医薬品の安定供給に係る取組の推進に向けた診療報酬上の加算の取扱い」に対する答申を取りまとめ、小塩隆士中医協会長から加藤勝信厚労大臣の代理で出席した本田顕子厚労大臣政務官に提出された(主な点数表の改正、特例措置は別掲参照)
 長島公之常任理事は、これまでの議論の中で、オンライン資格確認について、A①会員を対象として日本医師会が実施したアンケート調査等を基に、その義務化に対応できない医療機関に対して、きめ細やかな対応を要求するとともに、診療報酬上の評価についてもその導入を加速するためにも必要な措置であると主張。医薬品の安定供給を踏まえた診療報酬上の対応についても、医療機関の負担増を説明し、評価の見直しを強く求めてきた。
 その結果、今回の答申ではオンライン資格確認に関して、原則義務化への対応が困難な「やむを得ない事情」として、期限付きの6類型(別掲)が設定され、(6)については、例外措置または(1)から(5)の類型と同視できるか個別に判断することになった。
 また、診療報酬上の対応として、「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」の評価を見直し(本年4月から12月までの特例措置)、初診時にマイナンバーカードを保険証として利用しない場合の加算を4点から6点に引き上げるとともに、マイナンバーカードを利用した場合の加算は現行の2点を維持。再診時についても、マイナンバーカードを利用しない場合のみ、月1回に限り2点が加算されることになった(別掲)
 一方、医薬品の安定供給対策については、本年4月から12月までの特例措置ではあるが、処方箋(せん)料の関係では「一般名処方加算1及び2」を各2点、入院基本料等関係では「後発医薬品使用体制加算1、2及び3」を各20点、処方料の関係では「外来後発医薬品使用体制加算1、2及び3」を各2点、それぞれ引き上げることになった。

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現時点の想定を超える事態が生じた場合の国の対応を要望 ―長島常任理事

 当日の議論の中で長島常任理事は、「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」の評価が見直されることについて、近年、医療情報を正確かつ網羅(もうら)的に把握することの重要性が増す一方、その困難さも大きくなっていることを改めて説明。「こうした情報収集に関する課題を改善するためにもオンライン資格確認は重要であるが、それが使えない場合の医療機関の負担の大きさを考えれば、今回の措置は必要な措置である」として、理解を求めた。
 また、今後については、「オンライン資格確認の導入は、日本の医療で必須となる医療DXを発展させ、安心・安全で質の高い医療提供に寄与するものであり、日本医師会としてもその普及に向けてこれまで同様、全力で支援・協力していくとともに、その導入によって得られるさまざまなメリットについて、広く国民・患者に周知していきたい」とした。
 その他、原則義務化に関して、期限付きの経過措置が設けられたことについては、更なる導入の加速化を目指したものとして一定の理解を示すとともに、現時点での想定を超えるような事態が生じた場合には、国としてしっかりと対応するよう強く要望した。
 総会の最後にあいさつを行った本田厚労大臣政務官は、短期間での答申取りまとめに感謝の意を示した上で、「今回の諮問の背景には、医療DXの推進と医薬品の安定供給への対応という現下のわが国の医療に横たわる大きな二つのテーマがあった」と説明。今後は、厚労省として今回の答申に基づいて速やかに省令などの整備を行い、令和5年4月からの施行に向けて万全を期す姿勢を示した。

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