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令和5年(2023年)2月20日(月) / 日医ニュース

「新型コロナウイルス感染症の位置づけ変更後の医療体制に関する大臣と医療関係者との意見交換会」で日本医師会の考えを説明

「新型コロナウイルス感染症の位置づけ変更後の医療体制に関する大臣と医療関係者との意見交換会」で日本医師会の考えを説明

「新型コロナウイルス感染症の位置づけ変更後の医療体制に関する大臣と医療関係者との意見交換会」で日本医師会の考えを説明

 「新型コロナウイルス感染症の位置づけ変更後の医療体制に関する大臣と医療関係者との意見交換会」が2月7日、厚生労働省で開かれ、日本医師会からは釜萢敏常任理事と全日本病院協会長として、猪口雄二副会長が出席した。
 新型コロナウイルス感染症については、今年1月27日に開かれた政府の新型コロナウイルス対策本部会議において、本年5月8日から感染症法上の新型インフルエンザ等感染症に該当しないものとし、5類感染症に位置付けることを決定。患者等への対応や医療提供体制については段階的に見直すとされ、その具体的な方針は3月上旬に示すとされていた。
 今回の意見交換会は、これらのことを踏まえ、位置付けの変更に伴う医療提供体制の移行のあり方等について検討していくに当たって、医療関係者の考えを聞きたいとの加藤勝信厚労大臣の強い意向を受けて開催されたものである。
 意見交換会の冒頭あいさつをした加藤厚労大臣は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けを見直すに当たって、医療提供体制については3月上旬をめどとして具体的な方針を示すことになっていることを改めて説明。「本日は皆さんから、さまざまなご意見をお聞きし、具体的な方針の内容を詰めていきたいと考えているので、よろしくお願いしたい」と述べた。
 続いて、厚労省事務局から位置付け見直し後の外来医療体制、入院医療体制の移行のイメージ等について説明が行われた後、11名の医療関係者から意見が述べられた。
 釜萢常任理事は、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが見直されたとしても、(1)大規模な感染拡大の波が繰り返し押し寄せることが予想される、(2)コロナ診療には感染制御などの労力は変わらず、コロナ以前の受診総対応数に戻すことができるわけではない―ことなどを説明。「これらのことを考えれば、これまでコロナに対する外来あるいは入院診療を担ってきた医療機関の力は不可欠だ」とし、「国にはそれらの医療機関が引き続きコロナに対応できるような支援をぜひ、お願いしたい」と述べた。
 また、医療機関に対する支援を段階的に見直していくとされていることについては、「段階的に見直すとされたことはありがたいことだが、支援が無くなってしまえば、医療機関の経営状況が悪化することは明らかだ」と指摘。経済的な支援の必要性を強調するとともに、厚労省に対しては、経営状況の継続的な把握を行っていくよう求めた。
 更に、同常任理事は、「国によって地域に定着する新型コロナウイルスの感染リスクの高さに違いがあることは知られているが、高齢者人口の多いわが国においては感染リスクを可能な限り低く抑えることを目指すべきである」と述べるなど、地域に定着する感染リスクを低く抑える取り組みの重要性を強調した。
 一方、猪口副会長は新型コロナウイルス感染症を季節性インフルエンザと同一に扱っても問題はないとの意見があることに対して、新型コロナウイルス感染症の特徴として、①感染力が高い②高齢者の死亡率が高い③確実な治療薬がない―ことなどを挙げ、「季節性インフルエンザとは全く別のものであり、同一に扱うべきではない」と指摘。
 更に、感染症法上の位置付けが5類に見直されたとしても、医療機関においては、感染拡大を防ぐため、外来ではコロナ患者と一般の患者を分けることが、また、入院においては個室管理がそれぞれ必要になり、このような対応は変更前と変わることはないと説明。その継続のためにも、引き続きの経済的な支援が不可欠だと強調した。

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