オンライン資格確認の導入の原則義務化に係る経過措置(令和5年4月~)
令和5年4月から保険医療機関にオンライン資格確認(オン資)の導入が原則として義務付けられているところですが、令和4年度末時点でやむを得ない事情がある保険医療機関については、期限付きの経過措置が設けられます。
対象となる保険医療機関は、あらかじめ社会保険診療報酬支払基金を経由して、地方厚生(支)局に原則オンラインで、猶予届出書〔別添2(最下段様式)〕を令和5年3月31日までに届け出る必要があります。
*上記の他、患者からオン資を求められた場合に応じる義務については、訪問診療等またはオンライン診療の場合には、居宅同意取得型の運用開始(令和6年4月目途)までの経過措置が設けられている。
*(6)の「特に困難な事情」とは、例えば①自然災害等により継続的に導入が困難となる場合②高齢の医師等でレセプト取り扱い件数が少ない場合(目安として、令和5年4月時点で常勤の医師等が高齢であって、月平均レセプト件数が50件以下であること)
医薬品の安定供給に係る取組の推進に向けた診療報酬上の加算(令和5年4~12月)
医薬品の供給が不安定な状況を踏まえ、患者への適切な薬剤の処方や、保険薬局の地域における協力促進などの観点から、保険医療機関に対する加算について、特例措置が講じられます。
この特例措置は、令和5年4月から12月までの9カ月間、時限的に適用されます。
[追加の施設基準](一般名処方加算)
○薬剤の一般的名称を記載する処方箋を交付する場合には、医薬品の供給状況等を踏まえつつ、一般名処方の趣旨を患者に十分に説明することについて、当該保険医療機関の見やすい場所に掲示している(日本医師会メンバーズルーム内掲載しています※)。
[追加の施設基準](後発医薬品使用体制加算)
①後発医薬品使用体制加算に係る届出を行っている保険医療機関である。
②医薬品の供給が不足した場合に当該保険医療機関における治療計画等の見直しを行う等適切に対応する体制を有している。
③上記②の体制に関する事項並びに医薬品の供給状況によって投与する薬剤が変更となる可能性があること及び変更する場合には入院患者に十分に説明することについて、当該保険医療機関の見やすい場所に掲示している(日本医師会メンバーズルーム内掲載しています※)。
[追加の施設基準](外来後発医薬品使用体制加算)
①外来後発医薬品使用体制加算に係る届出を行っている保険医療機関である。
②医薬品の供給が不足した場合に、医薬品の処方等の変更等に関して適切な対応ができる体制が整備されている。
③上記②の体制に関する事項並びに医薬品の供給状況によって投与する薬剤が変更となる可能性があること及び変更する場合には患者に十分に説明することについて、当該保険医療機関の見やすい場所に掲示している(日本医師会メンバーズルーム内掲載しています※)。
※メンバーズルーム内に掲載しているため、アクセスするには日医会員用ユーザID、パスワードが必要です。
医療情報・システム基盤整備体制充実加算に係る評価の見直し(令和5年4~12月)
医療DX推進のためのオンライン資格確認の導入・普及の徹底の観点から、「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」について、初診時の評価を見直すとともに、再診時についても新たに評価を行う特例措置が講じられます。
また、併せて「オンライン請求」を更に普及する観点から、これら加算の算定要件を見直す特例措置が講じられます。
これら特例措置は、令和5年4月から12月までの9カ月間、時限的に適用されます。
*医療情報・システム基盤整備体制充実加算3は、再診時に診療情報を活用して質の高い診療を実施する体制を評価するものであり、施設基準を満たす保険医療機関を受診した患者に対して、当該患者に係る診療情報を取得等した上で診療を行った場合に、月1回に限り2点を算定する。ただし、電子資格確認により当該患者に係る診療情報を取得等した場合または他の保険医療機関から当該患者に係る診療情報の提供を受けた場合にあっては、この限りでない。
*医療情報・システム基盤整備体制充実加算3の算定に当たっては、他院からの処方を含めた薬剤情報や、必要に応じて健診情報等を問診等により確認する。
*医療情報・システム基盤整備体制充実加算3は、次のそれぞれに包括される診療の費用に含まれず、別途算定することができる。
B001-2 小児科外来診療料 | B001-2-8 外来放射線照射診療料 |
B001-2-10 認知症地域包括診療料 | B001-2-12 外来腫瘍化学療法診療料 |
B001-2-7 外来リハビリテーション診療料 | B001-2-9 地域包括診療料 |
B001-2-11 小児かかりつけ診療料 |
[施設基準](初診時・再診時共通)
○次の事項を当該医療機関の見やすい場所及びホームページ等に掲示していること。
①オンライン請求を行っている〔→今回の特例措置で、令和5年12月31日までにオンライン請求を開始することを地方厚生局長等に届け出た場合は、同日までの間に限り、要件を満たしたものとみなす(届出様式は日医HP掲載予定)〕。
※令和5年4月10日までにオンライン請求開始見込みに関する届出があり、同月末日までに要件審査を終え、届出の受理が行われたものについては、同月1日にさかのぼって算定することができる。
②オンライン資格確認を行う体制を有している。
③上記②の体制に関する事項及び質の高い診療を実施するための十分な情報を取得し、及び活用して診療を行うことについて、当該保険医療機関の見やすい場所及びホームページ等に掲示している。
[算定要件]
○上記の体制を有していることについて掲示するとともに、必要に応じて患者に対して説明する。