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令和5年(2023年)5月5日(金) / 日医ニュース

衆議院厚生労働委員会の参考人質疑に出席

衆議院厚生労働委員会の参考人質疑に出席

衆議院厚生労働委員会の参考人質疑に出席

 釜萢敏常任理事は4月4日、「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案」(以下、法案)について審議が行われている衆議院厚生労働委員会に参考人として招かれ、日本医師会の考えを説明した。
 冒頭、釜萢常任理事は、かかりつけ医機能が発揮される制度整備について、閣議決定は骨太の方針の「かかりつけ医機能が発揮される制度整備」であり、財務省財政審が主張する(1)法制上明確化、(2)認定するなどの制度、(3)事前登録・医療情報登録―ではないことを確認。その上で、かかりつけ医機能が発揮される制度整備に向けて、日本医師会が昨年11月に提言したことを紹介し、「感染症発生・まん延時(有事)においては、地域の医療体制全体の中で感染症危機時に外来診療や在宅療養等を担う医療機関をあらかじめ適切に確保し明確化しておくことで、平時に受診している医療機関がない方を含め、国民が必要とする時に確実に必要な医療を受けられるようにすべきである」と述べた。
 また、平時においては、国民に対して「医療機能情報提供制度」を分かりやすい内容に改め、フリーアクセスにおいて適切な医療機関を自ら選択できるよう支援を行う一方で、各医療機関でも自らが持つ機能を磨くことにより縦糸を伸ばすとともに、地域における他の医療機関との連携を通じて横糸を紡ぐことで「地域における面としてのかかりつけ医機能」を織りなし、より機能を発揮していくべきであるとした。
 コロナ禍における発熱患者への対応をもって、かかりつけ医機能の制度整備が必要とする趣旨の指摘があることに対しては、①2021年に実施された「日本の医師や医療制度に対する信頼」についてのアンケートでは、前回(2011年)に比べて、コロナ禍を経て信頼度が改善してきている②G7各国と比較しても日本の「新型コロナウイルス感染症による各国の累計死亡者数」「各国の新型コロナウイルス陽性者の致死率」等は、いずれも低く抑えられている―ことを紹介。自由民主党全世代型社会保障に関する特命委員会の取りまとめにおいても、「平時におけるかかりつけ医の問題は全く別の問題である」とされていると主張した。

地域における面としてのかかりつけ医機能

 更に、地域における面としてのかかりつけ医機能については、「日常診療時から、他の医療機関と連携し、地域住民(患者)の医療ニーズに対し、地域におけるネットワークで対応していくことが望ましく、急変時においても、可能な限り地域におけるネットワークで対応を行い、必要に応じて救急搬送の依頼や、高度急性期を担う医療機関での対応を行うべきである」と提言した。

かかりつけ医機能が発揮される制度整備に当たっての日本医師会の考え方を主張

 その上で、同常任理事は、「かかりつけ医機能が発揮される制度整備」に当たっては、①現行のフリーアクセスにおいて、かかりつけ医はあくまで国民が選ぶものである②患者は診療科別や専門性の観点からかかりつけ医を固定するのではなく、複数のかかりつけ医をもつ③必ずしも一つの医療機関がかかりつけ医機能の全てをもたなければならないわけではない④診療科や病院・診療所を問うものではない―こと等が必要であると改めて強調した。

かかりつけ医を選ぶのは国民

 その後の質疑の中では、かかりつけ医の登録制の是非についての質問に対して、同常任理事は「かかりつけ医を選ぶのはあくまで国民である」と改めて強調した上で、「医師は常に患者を受け入れる準備をしている。かかりつけ医と非かかりつけ医を峻別するような制度には違和感を覚える」と述べた。

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