釜萢敏常任理事は9月6日に記者会見を行い、最近の新型コロナウイルス感染症の感染状況や新型コロナワクチンの令和5年秋開始接種について説明した。
釜萢常任理事は、まず、新型コロナウイルス感染症の発生状況について、最新の定点報告(疫学週第34週、8月21~27日)が19.07であり、第33週(17.84)よりも増加しているものの、その速度は急激ではなく、現状として医療がかなりひっ迫しているという状況ではないことを報告した。
また、確保病床の取り扱いや診療の自己負担、診療報酬上の取り扱いなど、医療提供体制が10月1日以降に見直されることについては、「国による最終的な決定はまだ承知していないが、今後感染拡大が起きた場合にも病床が機能し、入院対応が可能であるかどうかが重要になる」と強調。9月1日に厚生労働省が公表している「新型コロナウイルス感染症患者の療養状況等及び入院患者受入病床数等に関する調査結果」を基に、確保病床と確保病床外に入院している人の割合が全国的にはほぼ半々で、都道府県によりかなり違いがあることを説明した上で、10月1日以降に確保病床が無くなった際に大きな混乱につながることに懸念を示し、国と自治体の間で意見を擦り合わせて円滑な移行となるよう求めた。
9月20日以降の令和5年度秋開始接種については、1.65歳以上の高齢者や基礎疾患を有するなど重症化リスクが高い人の他、生後6カ月以上の希望する国民全員が接種を受けられる体制となる2.ワクチンの種類は、オミクロンXBB.1系統の株に対応した1価ワクチンを使用し、年齢によって接種量が異なる―ことを概説。接種が円滑に進む必要性について主張するとともに、令和6年度以降のワクチン接種に関しては、近々国の検討会で議論される見通しであることを明らかとした。
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