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令和6年(2024年)4月20日(土) / 日医ニュース

後悔

 会社役員だった父は、若い頃から仕事上の飲食が多く、比較的若い時期にDM(糖尿病)を発症し、私が医師になる頃にはインスリンの量を勝手に調整しながら暴飲暴食を繰り返していた。
 眼疾患、前立腺がんで何回か手術を受け、更に心疾患もあったにもかかわらず、その傾向は変わらず、主治医も手を焼いていたようだ。
 私も度々強い口調で注意したが、分かっていると言いながら改善はしなかった。
 晩年は、さすがに飲酒はしなくなったが高カロリーの食の好みは変わらなかった。そのうち食欲の無い日が増え、インスリンの量の調整がうまくいかなくなり、低血糖になることも度々あったが、最期まで何とか動ける状態で90年の人生を終えた。
 私はというと、やはり親子である。アルコール、高カロリーの食を好み、複数の内服薬を常用、メタボである。長年一人暮らしだった父と違い、私には口うるさい家内がおり、そのお陰で悪いながらも何とかコントロールできていると自分では思っているが、家内からあれこれ言われる度に、父に対してもう少し寛容であれば良かったと後悔している今日この頃である。

(愚か者)

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