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令和6年(2024年)11月20日(水) / 日医ニュース

長きにわたり医学・医療の発展に貢献してきた功労者を顕彰

長きにわたり医学・医療の発展に貢献してきた功労者を顕彰

長きにわたり医学・医療の発展に貢献してきた功労者を顕彰

 日本医師会設立77周年記念式典並びに医学大会が11月1日、鰐淵洋子厚生労働副大臣、高橋英登日本歯科医師会長、岩月進日本薬剤師会長出席の下、日本医師会館大講堂で開催され、長きにわたって医学・医療の発展に貢献した功労者を顕彰した(被表彰者一覧は別掲参照)。

 冒頭、あいさつした松本吉郎会長は受賞者に祝意を伝えた上で、設立77周年を迎えた日本医師会について、「多事多難な時代の中でも、常に地域医療の確保に専心してきた先達の真摯(しんし)な姿が、今日までの歴史を築いてきた」と述べ、「その歴史の重みを受け止めながら、執行部一同今後も精励していく」と強調。
 その上で、人口減少と高齢化率の上昇が進む日本の現状について触れ、国民皆保険制度を基盤とした医療提供体制の強化と、地域における医療・介護の切れ目のない連携がますます重要となっているとし、「日本医師会は更なる組織強化を原動力に、誰もがどこでも必要かつ十分な医療を継続的に受けられるよう、社会保障制度の安定性と持続可能性の確保に努めていく」として、引き続きの理解と協力を求めた。
 来賓あいさつをした鰐淵厚労副大臣は、能登半島地震等の災害への対応並びに次なる感染症危機への備えに向けた日本医師会の活動に謝意を示すとともに、日本医師会の発展に長年尽力し、医療の発展や社会福祉の向上に貢献してきた受賞者に祝意を伝えた。
 また、医療行政について触れ、少子高齢化の進む現在は、将来にわたって質の高い医療を提供していくための改革を進める重要な時期にあるとし、「厚労省としても、医師偏在対策や新たな地域医療構想、医療分野の賃上げ、医療DXの実現等を推進しているところである。引き続き日本医師会と議論を重ねながらより良い医療のための取り組みを進めていく」と強調した。
 その後、表彰式に移り、受賞者に対して松本会長から表彰状が授与された。
 受賞者を代表して謝辞を述べた池端幸彦福井県医師会長は、国家財政のひっ迫により医療を含めた社会保障に対する不安が募り、自然災害の発生等も相次ぐ中で、地域医療の役割はますます重要になっており、日本医師会を中心とする医師会組織のより強固な団結が求められていると指摘。日本医師会に対して、「人生100年時代における国民の命と暮らしと尊厳を守るため、更なる強い指導力を発揮して頂きたい」と期待を寄せた上で、吉田松陰の言葉を引用しながら、引き続き医師会活動等を通じ、地域医療の向上のために努めていく姿勢を示した。
 なお、白寿会員149名、米寿会員827名の慶祝者には、更なる長寿を祈念して、後日にお祝いの品が贈呈された。

日本医師会最高優功賞

◆在任6年都道府県医師会長

池端幸彦(福井) 池端幸彦(福井)


◆医学、医術の研究又は地域における医療活動により、医学、医療の発展又は社会福祉の向上に貢献し、特に功績顕著なる功労者(都道府県医師会長推薦)

土屋和弘(静岡) ●医学・医術の発展に貢献した功労者
 土屋和弘(静岡)
佐々木悦子(宮城) ●地域における保健医療活動に貢献した功労者
 佐々木悦子(宮城)
大内通江(香川) ●地域における保健医療活動に貢献した功労者
 大内通江(香川)
田村精平(高知) ●地域における保健医療活動に貢献した功労者
 田村精平(高知)
名嘉恒守(沖縄) ●地域における保健医療活動に貢献した功労者
 名嘉恒守(沖縄)
橋本 修(滋賀) ●社会福祉の向上に貢献した功労者
 橋本 修(滋賀)
高原周治(兵庫) ●社会福祉の向上に貢献した功労者
 高原周治(兵庫)
松倉則夫(茨城) ●医師会事業に著しく貢献した功労者
 松倉則夫(茨城)
水谷元雄(埼玉) ●医師会事業に著しく貢献した功労者
 水谷元雄(埼玉)
河合直樹(岐阜) ●医師会事業に著しく貢献した功労者
 河合直樹(岐阜)
石川 紘(岡山) ●医師会事業に著しく貢献した功労者
 石川 紘(岡山)
佐々木正博(広島) ●医師会事業に著しく貢献した功労者
 佐々木正博(広島)
今井義禮(徳島) ●医師会事業に著しく貢献した功労者
 今井義禮(徳島)
稲田 裕(愛媛) ●医師会事業に著しく貢献した功労者
 稲田 裕(愛媛)
川﨑 洋(福岡) ●医師会事業に著しく貢献した功労者
 川﨑 洋(福岡)
池田 徹(鹿児島) ●医師会事業に著しく貢献した功労者
 池田 徹(鹿児島)

日本医師会優功賞

◆在任10年日本医師会委員会委員
神村裕子(山形)
水野雅文(東京)

日本医師会医学賞

●DOCKファミリー分子の生体機能と動作原理に関する統合的研究
 福井宣規(九大生体防御医学研・免疫細胞生物学)
●がんの精確な情報発信と研究体制基盤整備によるわが国のがん対策推進の礎となる体制づくりへの貢献
 祖父江友孝(阪大・がん疫学・公衆衛生学)
●個別化がん治療に必要なバイオマーカー研究による世界初がんエピゲノム体外診断薬の開発
 石岡千加史(東北大・腫瘍内科学)
●分娩に関する分子機構解析から安全な医療体制確立までの研究
 木村 正(堺市立病院機構・産科)

日本医師会医学研究奨励賞

●血管炎症・免疫制御メカニズムの解明に基づく動脈硬化性疾患の克服
 安達裕助(東大・循環器内科学)
●スフィンゴシン1―リン酸受容体に焦点を当てた血管の弾性線維異常の解明
 齋藤純一(Yale University・循環器内科学)
●オートファジー非依存的フェロトーシスの制御によるβプロペラタンパク関連神経変性症(BPAN)の根本的治療法探索
 藤巻基紀(筑波大・脳神経内科)
●シングルセルとゲノムの統合解析による全身性強皮症の血管病変の病態解析
 石川優樹(理化学研・リウマチ・膠原病)
●脂肪萎縮症における眼合併症および眼内脂質代謝異常のメカニズム検証
 寺尾 亮(東大・眼科学)
●メタボロミクスを用いた病的近視の病態解明と新規治療薬の開発
 富田洋平(慶大・眼科学)
●保健医療ビッグデータとホワイトボックスAIの融合による非感染性疾患(NCDs)リスクの解明:臨床疫学的探索
 藤原和哉(新潟大・血液・内分泌・代謝内科学)
●心不全における精密医療
 野村征太郎(東大・循環器内科学)
●がん種横断的大規模ゲノム解析による遺伝子異常の意義の解明
 斎藤優樹(国立がん研・分子腫瘍学)
●ミトコンドリア電子伝達系リモデリングをターゲットとした糖尿病関連腎臓病の新規治療戦略
 三瀬広記(岡山大・腎・免疫・内分泌代謝内科学)
●全身性エリテマトーデスの新規診断マーカーならびに治療薬の開発
 河野通仁(北大・リウマチ・腎臓内科)
●ポリジェニックおよびメチル化リスクスコア相互作用に基づく統合失調症と双極症の病態解明
 大井一高(岐阜大・精神医学)
●生体肝移植におけるOperational Toleranceを目指した個別化免疫抑制療法の開発
 田嶋哲也(京大・肝胆膵・移植外科学)
●霊長類モデル動物を用いた霊長類特異的な感音難聴の分子生物学的メカニズムの解明と新規治療標的の探索
 細谷 誠(慶大・耳鼻咽喉科・頭頸部外科学)
●卵巣がん患者体液中エクソソーム解析による新規診療モデル開発研究
 横井 暁(名古屋大・産婦人科学)

白寿会員(149名)

斎藤秀夫(北海道) 他

米寿会員(827名)

今井敏夫(北海道) 他

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