名前 マル
犬種 トイプードル 雌
趣味 ボール遊び
好物 肉全般、魚、蟹も大好きです。ドッグフードはいやいや食べます。
7年前、当時小学5年生だった次男が「犬が飼いたい」と言い出し、後日何となくふらっと立ち寄ったペットショップに彼女はいました。ショーケースの中で既に数カ月が経っており若干ディスカウントされていたことを覚えています。ペットショップ店員は決定権のある家族が一緒に来ている客と見ると、すぐさま「抱っこしてみませんか」と誘いを掛けてきて、気が付いたら息子の腕の中に抱かれていました。そうなるともう息子はメロメロに。畳み掛けるように小学生の子どもに「連れて帰ってよ」と誘いの言葉を連発......。私も家内も犬好きでしたので、次男にきちんと世話をすることを条件に連れて帰ることになったのが始まりでした。案の定、マルの世話をしたのは最初だけで、そのうち家内が世話のほとんどを行うようになったのは皆さんの想像どおりかと思います。
芸はお手、おかわり、タッチ、伏せ、待て、ゴローンは覚えています。知らない人には全く愛敬を振りまくことはなく、知っている人にしか尻尾を振ることをしません。宅配のお兄さんには毎回吠えてしまってうるさいところもありますが、番犬としてはある一定の役割は果たしてくれています。今まで実家や祖母の家で飼われていたポメラニアン、コーギー、シーズーと比べると格段に頭が良い印象を受けます。トイプードルは可愛さだけではなく犬の中でもトップ3に入るくらい頭が良い犬種だそうです。加えて、毛も抜けませんので大変飼いやすいです。初めて飼う方にはお薦めで、人気があるのもうなずけます。
犬のくせに冬はヒーターの前から離れず、冬の寒い時期には同じ布団に入って寝ており、寒さにめっぽう弱いお嬢様です。散歩もあまり好きではないようで、自転車が近くを通るだけでびっくりする始末。ドッグランで大型犬はもちろん、同じ小型犬にも恐る恐るにおいを嗅ぎにいく怖がりさんですが、猫と鳩にはやたらと強気に出る面もあります。非常に奇麗好きで、汚れているペットシーツでは用を足そうとせず、シーツを替えてくれと要求してきますし、散歩中におしっこをする時はアスファルトの上では流れて脚に付いてしまうのが嫌なようで、決まって土の吸収の良い所を選んで用を足します。
次男が学校の課題で短歌を作ることとなり「しきなみ子供短歌コンクール」でマルについて詠んだ短歌「愛犬のマルのカットは美容院 僕のカットは家でバリカン」とサラリーマン川柳かと思うような内容で提出したものが、思いもよらず入選してしまいました。入選した短歌は全校生徒の前で校長によって朗読され、次男は恥ずかしい思いをしたそうです。
犬は家の中の序列を把握しているとよく言われますが、普段の行動を見ていると彼女は下から2番目で、次男よりは上の位にいるようです。最初に飼いたいと言った言い出しっぺが序列最下位という皮肉な結果になっています。
そんなマルですが、もう7歳となり犬の中ではシニア犬になる年になりました。若干白内障がありそうで水晶体がうっすら白くなってきています。今、この文章を書いている私の足元で丸まって寝ている姿を見ていると本当に癒されます。家に帰ると尻尾を振って玄関まで迎えに出てくれ、抱っこしてくれとせがまれます。可愛くて仕方ありません。全く言うことを聞かない愚息と旦那にストレスをためる一方の家内にとって唯一の精神的な息抜きをさせてくれ、わが家に平和と癒しを与えてくれる女神と言っても言い過ぎではありません。これからも元気でできるだけ長生きしてください。その代わり食事の時にこそっとお肉やお魚をお裾分けしてあげるから。私の切なる願いです。
(一部省略)
徳島県 徳島県医師会報 NO.638より