閉じる

令和6年(2024年)12月5日(木) / 日医ニュース

更なる組織強化を目指して、4県医師会の取り組みなどを共有

更なる組織強化を目指して、4県医師会の取り組みなどを共有

更なる組織強化を目指して、4県医師会の取り組みなどを共有

 令和6年度都道府県医師会組織強化担当役職員連絡協議会を10月31日、WEB会議併用により日本医師会館小講堂で開催した。
 当日は組織強化に向けて先進的な取り組みを行っている4県医師会からの活動報告の他、活発な意見交換が行われた。

会長あいさつ

 城守国斗常任理事の司会で開会。冒頭あいさつした松本吉郎会長は、日本医師会会員数調査において、本年7月末に会員数が17万7000名を突破したことを報告し、組織強化への協力に謝意を示した上で、「組織強化に向けた取り組みは一過性のものではなく、常に重要課題として捉え、継続的に行っていくべきもの」と強調。「医師会が『全ての医師を代表する組織』として、よりプレゼンスや発言力を高めつつ、国民の生命と健康を守り、医師の医療活動を支えるという役割を果たし続けるためには、組織率の上昇傾向を維持・継続していくことが必要」と述べ、会費減免対象者への入会促進や日本医師会に入会していない先生方へのアプローチなど、引き続きの力添えを求めた。
 また、組織強化には、会員数や組織率という観点のみならず、「組織自体の質」を高めるという側面もあるとして、「会費減免期間に入会された先生方に減免期間終了後も医師会員として定着して頂くという流れを確立していく中で、医師会活動への理解とコミットメントを育んでいくという視点が重要」との考えを示し、一層の理解と協力を呼び掛けた。

角田副会長による説明

 続いて、角田徹副会長が「さらなる医師会組織強化に向けて」と題して、(1)医師会の果たすべき役割、(2)組織強化とは、(3)より具体的な取り組みの必要性―について説明した。
 (1)では、医療現場の声を国に届け、現場の声を踏まえた医療政策を実現するためには、より多くの医師に医師会活動に参画してもらうことが、医師会の組織強化と発言力の強化につながると強調した。
 (2)では、組織強化には「会員数の増加」と「質の向上」の二つの視点があり、それぞれが相乗効果を発揮することで医師会のプレゼンスが高まると指摘。「そのためには、まずは医師会に入会してもらい、医師会活動の意義や重要性、医師会の存在意義に対する理解を深め、いろいろな経験を積んでもらうことが重要」と述べた。
 (3)では、日本医師会として、入会促進等に向けた目標や会員定着に向けた課題解決の実現のため、医師会会員情報システム(MAMIS)の導入や日本医師会役員が各病院等に直接働き掛けるなど、多くの取り組みを行っていることを紹介するとともに、「現状を把握・共有し、体制づくりの検討を行った上で、効果を検証する」というPDCAサイクルの必要性を強調した。
 最後に角田副会長は、国民の生命と健康を守り、医師の医療活動を支えるという役割を果たしていくためには、「会員数と組織率の増加・上昇傾向を維持・継続していくことが必要」と指摘し、①会費減免期間延長の周知と入会促進②臨床研修医への対応③来年度の新臨床研修医への対応―に関する引き続きの協力を呼び掛けた。

活動報告

 次に、埼玉、三重、岡山、福岡の各県医師会からの活動報告が行われた。
 桃木茂埼玉県医師会常任理事は、組織強化に向けては、(1)入会を増やす、(2)退会を減らす、(3)組織力の向上―が必要と強調。令和5年度の活動として、加入率の低い病院などに対して積極的な呼び掛けを行った他、郡市医師会長会議に笹本洋一常任理事を招き、組織強化について解説してもらったことを報告するとともに、研修医に対して、研修病院セミナーや医学生、研修医等をサポートするための会も実施していることを紹介した。
 今後については、①新しく研修医になった先生へ積極的にアプローチする②区分変更が必要になる初期研修終了時や会費減免対象の期間終了時の退会を減らす③研修医以外の非会員に対しても働き掛ける―こと等を考えていると説明した。
 田中淳子三重県医師会理事は、医師会入会を困難にしている要因として、(1)会費の妥当性、(2)手続きの煩雑さ、(3)メリットの少なさ、(4)興味の無さ、事業内容の周知不足―があると指摘。これらの問題に対しては、郡市医師会に対する医学部卒後5年間の会費減免への協力依頼や、入会案内のパンフレットの刷新、若手医師に向けた、医学生・研修医等をサポートするための会や研修医との交流会を開催するなどの取り組みを行っていると説明。今後は、勤務医に向けてのアピールやMMC(Mie Medical Complex:三重県全ての初期臨床研修病院が主となり、全16病院の院長が理事として、運営しているセンター)との共同事業の実施の他、医師会入会のメリットを増やすことなどにも努めていくとした。
 内田耕三郎岡山県医師会専務理事は、岡山県医師会の取り組みとして、(1)WELCOME研修医の会の開催、(2)臨床研修指定病院訪問、(3)出前説明会、(4)入会サポートデスク、(5)勤務医部会委員会の開催、(6)若手医師との意見交換会、(7)日本医師会新規入会促進キャンペーン―を行っていることを説明した。
 (1)では、特別講演や懇親会を実施する中で、医師会の説明や入会案内を行い、会参加者の半数以上が入会するといった成果を上げたことを明らかにした。
 (4)では、入会に係る負担軽減を図るため、入会等の手続きの代行を行っているが、MAMISの運用開始に伴い、終了する予定であることを報告した。
 一宮仁福岡県医師会副会長は、組織強化に向けた取り組みとして、(1)入会促進に向けた取り組み、(2)医師会活動参画に向けた取り組み―に分けて説明。
 (1)では、会費減免、パンフレットやSNS等を用いた情報発信、医学生への講義・学生交流会や勤務医交流会・若手医師交流会の開催など、(2)では、役員登用や勤務医部会・委員会の設置、シンポジウムの中で医師会入会を案内する他、大学医師会と連携するなど、さまざまな活動を行っていることを詳説した上で、今後取り組むべきこととして、中堅・若手人材の発掘・登用や勤務医サポートデスクの設置などを挙げた。
 その後の協議では、「医療機関等に訪問した際の効果的な説明や内容の検討」「未加入の若手医師だけでなく、会費減免5年にまだ達していない先生に対するアクションの重要性」「入会前だけでなく、入会後もメリットを感じてもらえるような情報発信の工夫」などについて、意見が交わされた。
 最後に松本会長は、4県医師会からの活動報告のポイントを振り返った上で、「今回頂戴したご意見等も参考にしながら、更なる組織強化に向けて取り組んで頂きたい」と発言し、閉会となった。

戻る

シェア

ページトップへ

閉じる